覚醒剤取締法違反などで懲役3年執行猶予4年の有罪判決を受けた歌手ASKA(56=飛鳥涼、本名・宮崎重明)に、覚醒剤と合成麻薬MDMAを譲り渡したとして覚醒剤取締法違反(営利目的譲渡)などの罪に問われた指定暴力団住吉会系組幹部・安成貴彦被告(47)の第3回公判が14日、東京地裁で開かれた。3月6日の次回公判に本紙既報通り、主役・ASKAが証人出廷する可能性が出てきた。

 ASKAの供述がキッカケで、安成被告は覚醒剤などの調達役として逮捕、起訴された。受け渡し役として無職の柳生雅由被告(64)も起訴され、罪状を認めているが、安成被告は一貫して起訴内容を否認してきた。

 真相を明らかにするにあたって“当事者”ASKAの証言は欠かせないとあって、この日の公判では、安成被告の弁護側が「宮崎重明氏の証人の申請をしようと思います」と裁判官に提起した。検察側は態度を明らかにしなかったが、もともとは検察側もASKAの証人尋問を視野に入れていたとのことで、実現する可能性はかなり高そうだ。

 ASKAとしては再び法廷に立ち、さらに暴力団幹部と“対峙”するのは望んでいなかっただろうが、裁判所から証人として呼ばれたら、原則として拒否することはできない。

 法曹関係者は「病気など正当な理由がない限り拒否した場合は、強制的に裁判所に出廷させる勾引(こういん)という手続きが取られることもあります。ASKAさんは執行猶予中ということもあるので、裁判所から出廷要請された場合は素直に応じるしかないでしょう」と話す。

 ASKAは有罪判決が確定し、一区切りが付いたかに思われたが、まだまだ落ち着く日々は訪れそうもない。