大みそかのNHK紅白歌合戦で4年5か月ぶりに公の場で歌を披露した中森明菜(49)が、9日放送のNHK特集番組「『歌姫復活』紅白裏側完全密着SP」で再びテレビに登場した。米・ロサンゼルスに滞在している明菜を昨秋から密着取材した映像や、紅白での生中継の舞台裏が明かされた。そうなると次は、ファンの前に出て元気な姿を見せ、新曲を歌えば完全復帰となるのだが…。実情を知る関係者は「まだそこまでの段階とは言えない」と話している。一体、何が歌姫のステージ復帰を妨げているのか?

 特集番組「中森明菜『歌姫復活』」では、明菜が紅白で復帰するまでの苦悩と決断の様子がドキュメンタリーとして放送された。ロサンゼルスに滞在する明菜に昨秋から密着取材していたという。この番組が“明菜ブーム”をさらに後押ししそうだ。「昨年、巻き起こった明菜ブームを超えるかも」(業界関係者)と期待されているのだ。

 先日発表された紅白歌合戦の瞬間視聴率で、明菜は42・9%の高視聴率を獲得。大トリを務めた松田聖子(52)の47・5%には及ばなかったものの、楽曲の売れ行きは群を抜いていた。明菜が紅白で歌った新曲「Rojo―Tierra―」は1月21日のCD発売を前に、大みそかに配信が先行する形で発売された。

「紅白直後のデイリーチャートではiTunesで6位まで上がっていたし、レコチョクでは3位までいっていた。週間チャートでもいいところまでは行くんじゃないか」(レコード会社関係者)

 紅白効果で一気に伸びを見せたという。「紅白効果で伸びを見せたのは『SEKAI NO OWARI』、サザンオールスターズ、中島みゆき、明菜の4組。そう考えれば明菜が紅白に出たことは大成功でしょう」と同関係者。

 しかも、この動きは21日発売のシングル、28日発売のアルバム「歌姫4―My Eggs Benedict―」にも好影響を及ぼした。所属レコード会社関係者は「紅白後に問い合わせも多く、急きょ、初回出荷枚数を予定よりも増やしました」という。

 今後はこの流れをさらに拡大させるためにも、ファンの前に明菜が元気な姿で現れ、プロモーション活動をすることが重要となる。だが、当の明菜本人はまだその段階ではない。明菜が帰国していないこともあり「まだ本人が活動するかどうかの話し合いもできていない」(前出のレコード会社関係者)と、話は進んでいないという。

 気になるのは体調面だ。ある音楽関係者は「まだ人前に出てきて話したり、歌ったりするのは難しいのが実情のようです。特に気にしているのが、患っている帯状疱疹の症状だというんです」。

 明菜は2010年9月に重度の帯状疱疹を患い、3週間ほど入院。今回の紅白出場前、NHKの三溝敬志エンターテインメント番組部長は「(持病の)帯状疱疹の影響はまったくないはず」と話したが、実際はファンの前に現れるまでには回復していないという。

 9日の番組内で明菜は現在の体調について「おかげさまで今は大丈夫です。結構仕事がかなりハードなんで、これが終わったらゴーンときちゃうかもしれないですけど」と表現。休養中を「気持ちは体と一緒に動くので、いくら気持ちがせいていても体がついてきてくれないと無理なので…。気持ちはずーっとありましたから。みんなきっとどうしてんだろうなって思ってんじゃないか、早く早くって思っても体は無理なので…。気持ちはずっとありました」と振り返った。

「紅白はNHKのスタッフが密着する形で説得したこともあって、実現できたといわれている。明菜に安心して歌わせることのできる環境を整えたからともいえます。ですが、ファンの前に出るとなると…」(前出の音楽関係者)

 明菜の症状の詳細は明かされていないが、細やかな神経の明菜だけに心配は残るという。

「発疹の痕も、他の人から見れば問題ないレベルかもしれないが、明菜さんの中では、ちょっとした痕跡も気にするでしょうし、人前で歌うとなれば過度なストレスが加わる。周囲は“もし再発したら大変”という危機意識もあるでしょう。ファンの前に出る決断はなかなかできない」(同)

 昨年8月のベストアルバム発売イベントを明菜不在の中で盛り上げたミッツ・マングローブ(39)は「(明菜本人が)いなくても、これだけ売れちゃう。それだけすごいってことですよね」と感心していたが、今後も本人不在のまま“明菜ブーム”が継続するのかもしれない。テレビ復帰はしたものの、本格復帰までの道のりはまだまだ遠そうだ。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)