俳優・工藤阿須加(23)、女優・波瑠(23)らが7日、都内で行われた映画「アゲイン 28年目の甲子園」(17日公開)の完成報告会見に出席した。

 甲子園を目指した元高校球児たちがオヤジとなって、再び“あこがれの地”を目指す。そんな「マスターズ甲子園」は実在する大会で、2004年に創設された。直木賞作家の重松清氏(51)がそれをテーマに書いた小説「アゲイン」が大森寿美男監督(47)の手により映画化された。

 工藤は福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督(51)の長男。

 映画では主演・中井喜一の28年前の球児役を演じた。名選手の息子だけにうってつけにも思えるが、実は「野球をこれまでやったことがなかった」と言う。

 役作りについて父親に聞いたそうだが「サードの役だったので『長嶋さんのイメージでいいんじゃないか?』と言われたが、現役時代の動きを見たことがなかった」と苦笑い。

 さらには「こうやってお仕事をもらうようになって、畑は違うが父親の偉大さというものを感じるようになりました。壁は越えられないと感じた」と、29年間で通算224勝を挙げた父のすごさに敬意を表した。

 いまはまだ「工藤公康の息子」という肩書が先行する阿須加だが、ある映画関係者は「色メガネで見られがちですが将来性は抜群。道は違えど、将来は父親を超える可能性のある俳優ですよ」と話す。

「俳優専門の事務所で演技力は鍛えられているし、何より父親譲りの根性がある。役作りに対してもストイックで、野球選手の役だったら『野球を知っている人が見て納得してもらう体になる』と体力トレーニングをする。口だけの若手が多い中で、なかなかできることではない」

 今後が楽しみな俳優であるのは間違いない。