金正恩氏暗殺コメディー映画の流入阻止へ 北朝鮮が水際作戦

2015年01月09日 11時00分

 北朝鮮が、米国で大ヒットした金正恩第1書記の暗殺を描いたコメディー映画「ザ・インタビュー」の流入対策“水際作戦”を展開している。

 韓国メディアによると、自由北韓運動連合の朴相学代表は先月30日、米国の団体「ヒューマン・ライツ・ファウンデーション」から、同映画を北朝鮮に送るために必要な費用全額の支援を受けたと伝えた。朴氏は今月下旬、南北国境地域からハングル文字の字幕が付いた同映画DVDとUSBメモリー、計10万個を北朝鮮に向け大型風船で飛ばす計画を立てている。

「朴さんはこれまで北朝鮮に向けて風船を飛ばしてビラなどを散布してきた人物。風船は南北の非武装地帯の中に落ちるでしょうが、うまく風に乗れば国境から125キロ離れた平壌まで飛んでいく可能性もあります。朴さんは平壌市民が同映画を見れば、北朝鮮の指導体制は崩壊すると意気込んでいます」(平壌情勢に詳しい関係者)

 昨年10月、朴氏らが飛ばした風船に北朝鮮側が対空機関銃を発射。韓国側に銃弾が届き、南北で銃撃戦になった。それだけに北朝鮮は同映画の流入を防ぐため、国家安全保衛部副部長を団長とする組織を立ち上げ、国境地域の密輸業者に対して検閲作業を開始した。

「同映画は中国内で100万件以上ダウンロードされた。中国経由で同映画を北朝鮮に送れば、現地で自動的にローミングできる。中国と北朝鮮の国境地域ではカカオトーク(無料チャット・通話アプリ)が使えますから、同映画を見ることもできる。すでに視聴した市民がいる可能性が高い」(同)

 しかし、多くの北朝鮮市民が同映画を観賞するかどうかは不透明だ。

「北朝鮮は韓国から飛んでくるビラなどを自分で拾わず、落下した場所を届け出るよう指示している。以前、隣近所に『ビラを見た』と触れ回った農民は労働強化刑に処せられた。北朝鮮市民は、同映画を見たら見せしめに処刑されるとおびえているのでは」と日本の公安関係者は話している。