〝革命児〟が明かす危険撮影秘話

2012年08月31日 18時30分

 出演者全員がスタントなしで過激なアクションに挑んだ台湾映画「ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black&White Episode1」(9月8日公開)。話題作のメガホンを取ったのは台湾映画界の〝革命児〟と称されるツァイ・ユエシュン監督(43)だ。同国映画史上、最高の製作費(約10億円)を投じた娯楽大作の撮影舞台裏を直撃した。

 

――熱血刑事役の主演マーク・チャオ(27)だけじゃなく、出演者全員がスタントなしで危険なアクションシーンに臨んだとか

 

 ツァイ監督(以下監督):その通りだ。もともとボクはリアルなアクションを観客に見せたいと思っていた。台湾や香港映画でのアクションといえば、多くの映画ファンはすぐにカンフーアクションを思い出すだろう。ボクも先人たちが築いたカンフーアクションの伝統は尊敬するけど、それとは違った21世紀のアクションを表現したいと思っていたんだ。

 

――それで、スタントなしに

 

監督:少し考えてみてほしい。現代のCG技術をもってすれば、いくらでも派手なアクションシーンを合成できるけど、スタントを使ってのCG映像はリアルじゃないんだ。わざとらしい表情ですぐに観客に「スタントを使っている」とバレてしまう。ボクはリアリティーがないアクションシーンは大嫌いなんだよ。それに、撮影前に出演者のみなさんには「スタントなしでやる」と伝えてあったしね。

 

――チャオは「スタントなしとは一回も聞いていない」と話してましたけど…

 

監督:あれ!? そうだったかな? アイツがそんなことを話しているとしたら、撮影中のとあるハプニングを根に持っているからだね。立体駐車場の4階から飛び降りるシーンなんだけど、「全然、危険じゃないよ」って、ぶっつけ本番でやらせたんだ。撮影後もぶつぶつ言っていたけど、あのシーンには相当不満があったみたいだな。

 

――チャオを主演に抜てきした理由は

 

監督:残念なことに、台湾では役者の世代交代が進んでいないんだ。50代以降の旧世代の役者が多くのドラマや映画で、いまだに主演しているのが現状なんだよ。ボクは俳優の世代交代を進めたいと思っている。だから新世代のチャオを抜てきしたんだ。