「オイラ死んじまった」アイドルSTARMARIEの“ダーク”な世界観

2014年12月30日 20時48分

海外ツアーにも意欲を見せたSTARMARIE(左から松崎博香、中根礎子、木下望、高森紫乃、渡辺楓)

「オイラ死んじまった」──この歌詞を耳にして「懐かしい」と思う人がいるのではない。だが、あの曲ではない。歌っているのはアイドル「STARMARIE」(スターマリー、略称=スタマリ)だ。木下望(きした・のぞみ)、高森紫乃 (たかもり・しの)、中根礎子(なかね・もとこ) 、松崎博香(まつざき・ひろか)、渡辺楓(わたなべ・かえで)の5人は「ダークファンタジー」をコンセプトに活動。海外にも多くのファンがいるファンタジーユニットだ。

 スタマリの楽曲はアイドルとしては異例の「死」をテーマにした作品が多い。「ほとんどの楽曲で人が死んでいる」と言われるほどだ。YouTubeで公開されている「お化け屋敷に就職しよう」の歌い出しは「オイラ死んじまった 昨日死んじまった さぁようこそ!!ここは地獄」──。さらに「拡散希望」などの変わった歌詞が並ぶ。「死んじまった」という歌詞はザ・フォーク・クルセダーズの代表曲「帰って来たヨッパライ」(1967年)の「オラは死んじまっただ──」を思い起こさせる。もちろん、彼女らがフォークルを知るはずもなく、「おじいちゃんがよく歌っていた」(渡辺)というほど。

 スタマリの作品はすべてプロデューサーが作詞を担当、楽曲は様々なアーティストが提供している。これが「死亡率の高い」楽曲の理由だ。

 別路線を歩んでいるようなコンセプトだが、アイドルフェスにも参加するスタマリ。ただ、「他のアイドルさんとは違うので、(アイドルフェスへの)参加には不安があった」(中根)。それでも「『死ぬ、殺す、呪う』の歌詞を聞いて『何だろ?』と注目してくれる」(松崎)こともあるのだとか。

 スタマリの楽曲は最初から最後まで“ダーク”ではない。全曲が「暗」から「明」へのストーリー仕立てで、ライブも「暗」から「明」となるように組まれている。進行も独特。“世界観”をコンセプトにしているため、アイドルフェス、対バンでは数曲、ワンマンともなれば、激しいダンスで20数曲ぶっ続けのパフォーマンスを演じる。すべてを演じ終えてから、自己紹介などのMCは最後に行う。

「他のアイドルさんが、ニコニコ、かわいくライブをする中で、私たちは最後まで真顔でダークファンタジーの世界を演じるんです。最後のMCでようやく笑顔を見せると『あの娘たち、笑えるんだ』といわれることがあります」(木下)。

 現在の5人体制になって半年。年明けの1月2日には、TSUTAYA O-EAST(東京・渋谷)でワンマンライブを行う。木下は「5人体制になってから決まった初めての大会場。2015年、いいスタートを切るために全力を出したい」と力が入る。高森は「もっと女性に向けて発信していきたい」、渡辺は「ワンマンでは先着20人にプレゼントを用意しているので、ぜひ応援しにきてださい」とアピールした。2月11日には女性限定イベントも開催する。

 スタマリは、これまで米国、台湾、フィリピンなどでライブを行っている。海外でも浸透しつつあり、空港で出迎えるファンもいるとか。今後のスタマリはどこへ向かうのか?高森は「もっと実力をつけて、アイドルの枠を超え、海外で通用するようなアーティストになりたい」と抱負を語った。