先月10日に亡くなった高倉健さんのスチール写真を30年以上にわたって撮り続けてきた写真家・遠藤努氏は写真集で、未公開のプライベート画像を公開した。

 写真集「映画俳優・高倉健~その素顔」(音羽出版)は健さんの秘蔵写真100枚を収録。肉体を鍛え上げるトレーニング風景から、海で仲間と戯れる姿や昼寝と休憩タイム、「弁当はキチンと平らげた」など、スクリーンでは見られない素顔を余すところなくとらえている。

 同書の紹介文によると健さんは、決めポーズがうまく撮りやすい俳優だった。カメラに気迫が伝わってきたという。

 健さん出演作の数々のシーンを切り取ってきた遠藤氏。故三国連太郎さんらと共演した名作「飢餓海峡」のスチール写真は1965年、キネマ旬報「日本映画スチル・コンテスト」の第1位に輝いた。

 一方で、健さんにとってはカメラマンを超えた存在でもあった。「相棒と言っていい人。健さんのコーヒーをいれる役もしていた」(写真集をプロデュースした肥留間正明氏)

 写真集に収められた作品は、公私にわたって深く付き合ってきた遠藤氏にしか撮ることができない健さんのプライベートな姿だけに、その価値は計り知れない。