
「生まれてこのかた、悩みがない!!」――。こう豪語するのは歌舞伎界の重鎮・四代目市川左團次(74)だ。バラエティー番組で“SM好き”を公言するなど、上品なしゃべり口の中にさらりと下ネタも織り交ぜるサービス精神で今、本業以外の仕事でこのところ引っ張りダコだ。本紙の単独インタビューでは笑福亭鶴瓶(62)との全裸“競演”も告白。梨園屈指の“かぶき者”が明かした、人生を気楽に生きるコツとはいったい?
――悩みがないそうですが…
左團次:人生で一度も悩んだことがない。歌舞伎でも、オヤジや先代と同じ役をやっていないから、比べられることもないし、気楽にやらせてもらっている。
――女性で悩んだこともないのですか
左團次:(歌舞伎役者は)いい商売だなと思って。『あなたのファンです』って出入り口で待っててくださってね。こんなに女性にチヤホヤされる商売ってないじゃないですか。“乞食と役者は3日やったらやめられない”というのはもっともだね(笑い)。
――モテモテですね
左團次:いやいや、僕は歌舞伎界で一番モテない男ですから。それでも恋愛で悩んだことはない。僕は“させない美人よりさせるブス”と思っているから。
――気取りのなさが人気の秘訣
左團次:女のお客さんでも僕、パンツ1点でいくわけ。裃(かみしも)や歌舞伎の衣装の下がクレヨンしんちゃんやミッキーマウスだったりしたら面白いんじゃないかなって。
――見せパンですか
左團次:そうなんですよ。だから皆さん僕にパンツを下さるんです。“アイツは変なパンツが好きだぞ”って。誕生日にも歌舞伎座のお客さんや大道具さんからもらって、今では50~60枚はありますよ。
――どんな変わり種が
左團次:最もはけないのはここ(股間)に蛇口が付いてるやつ。それから片っ方しか(生地が)ないパンツ。“持ちモノ”がちゃんとしていないとボロッと出ちゃう(笑い)。僕なんか、そんな典型ですよ。
――ひょっとして“ご開チン”エピソードも
左團次:僕はお酒を飲まないんだけど、女性は好きだから女性のいる所には行く。韓国の女性がいるクラブに行ったときにね、(笑福亭)鶴瓶さんが(チマ)チョゴリを着て踊って最後に全部脱いでね。
――鶴瓶さんといえば“開チン”ですね
左團次:そうなんだよ。で、僕も“あの鶴瓶に負けてなるものか”ってスパッと脱いで、一緒に裸踊りをしたわけ(笑い)。
――夢の“開チン競演”ですね
左團次:アハハ、他にもまだあるよ。(尾上)菊五郎さんと地方巡業したとき、慰労会で(旅巡業の)トラックの運転手さんが酔って裸で駆け回ったんですよ。ここでも“兄ちゃんに負けてられるか”って裸になったら、菊五郎さんに『この人、飲まないでこれだ』ってあきれられちゃって。
――シラフで(笑い)
左團次:いえいえ、映画でも歌舞伎でも、二枚目はイメージを壊したくないとおっしゃるけど、僕なんかイメージを壊したってなんてことないんですよ。恥知らずなんです。
――二枚目といえば今年は高倉健さん、菅原文太さんなど日本を代表する俳優が亡くなりました
左團次:残念だね…でも健さんとは直接お会いしたことはないんだよ。
――作品を見たことは
左團次:実は、(文太さんの)「仁義なき戦い」シリーズが好きで、丸の内東映(現・丸の内TOEI)によく通いましたよ。僕は鶴田浩二さんのファンだったけど、あのシリーズには魅せられたね。
――私生活では
左團次:カミさんが「パチンコやマージャンは毎日でも行ってきなさい。好きなことをやってにこやかにいた方がいい」と言ってくれる。
――奥様は26歳下
左團次:三十数年、独身だったから一人のほうが気楽と思っていたんだけど、一人で死んでいくのも寂しいなぁ、誰か病院に連れて行ってくれる人が欲しいなぁと思ったの。でも一緒になったら、カミさんがよく寝るんです。この人、俺に何かあったときに起きてくれるんだろうか(笑い)。
☆四代目市川左團次(よだいめ・いちかわさだんじ)=1940年11月12日生まれ。東京都出身。本名・荒川欣也。屋号・高島屋。生後すぐに三代目市川左團次に引き取られ、47年に6歳で初舞台を踏む。69年、三代目左團次を亡くし、79年に四代目市川左團次を襲名。
2011年に旭日双光章(きょくじつそうこうしょう)を授与された。歌舞伎の他、大河ドラマやバラエティー番組などで幅広く活躍中。「アウト×デラックス」(フジテレビ系)ではSMボンテージパブでのエピソードを披露し“SMの帝王”と紹介された。趣味はパチンコとマージャン。仕事でパチンコ台を離れるときは弟子に代打ちさせる。
新著「夢を見ない、悩まない」では禁断の恋に走りそうな女性に“何をしようと自由”、目標がなく不登校の若者に“夢などもたなくて結構”とアドバイス。悩み相談に対する左團次節のケセラセラ回答が妙味を出している。
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