転移性肝がんによる肝不全のため81歳で亡くなった菅原文太さんについて2日、俳優・梅宮辰夫(76)が思い出を語った。

 梅宮はこの日、都内で行われた佐々木主浩氏の殿堂入り祝賀パーティーに出席。菅原さんについて「悔しいですね。残り少なくなった昭和の映画人がまた1人亡くなった」と寂しそうに話した。

 若いころは毎晩のように飲んでいたという。

「文ちゃんも強かったよ。ただ年を取ると酒の量が減ってきて、(宴席の)途中で消えたりしてた」

 梅宮がクラウディア夫人と初めてデートした時には、なんと菅原さんが付き添った。「いいオンナがいるから来てよ、って言ったら来てくれた。銀座のクラブから赤坂のディスコに行ってね。文ちゃんは隣で黙って飲んでた」

 梅宮は、菅原さんの代表作「仁義なき戦い」シリーズにも出演した。一番の思い出は沖縄で舞台あいさつを行った時のこと。「その夜に4軒ハシゴしたんだけど(笑い)。文ちゃんはディック・ミネの『夜霧のブルース』が大好きで、カラオケで必ず歌う。いつも小林旭とマイクの取りっこをしてた」

 その夜も文太さんは、行く店すべてで「夜霧のブルース」を歌ったのだが、「4軒目に行くと、入店前から『夜霧のブルース』の前奏がかかっててさ。『段取りがいいな』と思って、文ちゃんが急いでステージ上がって歌ったんだけど、そしたら『コノヤロー!』って声がした。聞いてみたら怖いお兄さんが歌うところだった。今にしてはいい思い出だよ」と懐かしんだ。