とことん優しかった文太さん 若きミュージシャンの「CD前説」も快諾

2014年12月02日 16時00分

Shamoのデビューアルバム「Chicken Hearts」

 菅原文太さんはどれだけ大物となっても、下の立場の人間にとことん優しい人だった。菅原さんの格好良すぎる“素顔”を、ミュージシャン「Shamo」(軍鶏)のボーカル・YOSH(40)が明かした。


 Shamoのデビューアルバム「Chicken Hearts」(2006年)の中に、“前説”として菅原さんのナレーションが入っているのだが、それが実現するに至った経緯はまさに仰天ものだった。


 福岡・筑豊地区出身のYOSHは、映画「山口組外伝 九州進攻作戦」(1974年)で夜桜銀次を演じた菅原さんに憧れ、「アルバムの“前説”をやってほしいと菅原さんに、だめもとで手紙を出しました。するとご本人から『やる』と電話があったのです。スタジオまで用意してくれました」とYOSH。


 Shamoの存在すら知らなかった菅原さんだが、手紙を読んだだけで即決したのだ。前説の中で当時のメンバーを紹介するシーンがあった。そのメンバーが太っていたため「ふくらし粉入れすぎたまんじゅう」という台本があり、菅原さんもその通りに読んで帰っていったという。「お帰りになって30分後に電話があり、『ふくらし粉入れすぎたまんじゅう』では、あまりにもかわいそうだと。『まんじゅうをガマガエルにしよう』とおっしゃられ、もう一度戻られてきて、レコーディングされました」とYOSH。


 レコーディングをしたスタジオ代は、Shamoがお願いしたにもかかわらず、「お前ら金ねえだろ」と菅原さんがすべて払ったという。ただ一つ、条件を付けて――。それは「このCDが1枚でも多く売れたら、体の不自由な人たちに寄付してくれよ」というものだった。Shamoは菅原さんの言いつけを守り、CDの売り上げを寄付した。


 YOSHは「あまりにも格好良くて、感動しました。あのひと言だけは、忘れることができません。その後も一度、食事の場でご一緒させていただきました。冗談を交えながら、よくお話ししてくれました。お亡くなりになられて、あまりにも残念です」と語った。