「栩内裁判」スピードアップの裏に裁判所の事情

2014年11月27日 11時00分

ことごとく申請が却下された栩内被告

 越年はさせない! 歌手ASKA(56=飛鳥涼、本名・宮崎重明)とともに覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた栩内(とちない)香澄美被告(37)の論告求刑公判が来月11日午後に東京地裁で開かれる。25日に行われた第5回公判に同被告は紺色の上下にタイツ、黒のハイヒール姿で出廷。いわゆるコンサバ系ファッションで、オシャレに気を使っている様子がうかがえた。

 公判では改めて主張したASKAの証人申請を却下され、3回目の毛髪鑑定要請も「裁判所が事件の証拠集めを先導することはできない」(鈴木巧裁判官)という理由で退けられた。同被告は逮捕後、いつ毛髪鑑定をしてもいいよう美容院には行かず“ありのまま”の状態を保っていたが、それも報われなかった。

 ことごとく弁護側の申請を却下し、裁判をスピードアップさせた背景には、裁判官の「越年させない」という強い意志が感じられる。初公判からすでに4か月。薬物事件の裁判でここまで長引くのは異例で、さすがの裁判官も「年内で終わりますよね?」と、やんわり念を押したほどだ。

 法曹関係者は「裁判は一日に何件もあり、法廷を利用するにも他の裁判のスケジュールを加味しなければならない。初犯の薬物事件は大半が即日結審。言い方は悪いが『これ以上、付き合わされるのは勘弁』ということだろう」と話す。

 それでも弁護側は論告求刑後に再度説明の場を設けてほしいと主張。これに根負けした形で、来月17日午前に異例の“30分弁明”の場が設けられることになったが、裁判官は「あくまで仮決定ですので。こちらもいろいろ大変なんですよ」とクギを刺すことも忘れなかった。弁明の機会が設けられれば、栩内被告にとっては最後のチャンス。しかし、これまで裁判官の心証を悪くした感は否めない。検察は懲役3年程度を求刑するとみられる。