健さん「たけし映画に出たい」と語っていた

2014年11月18日 14時53分

ロングインタビューに答えた高倉健さん(2000年1月)

【復刻!東スポ】(2000年1月29日付け)

 第42回ブルーリボン賞(東京スポーツ新聞社などスポーツ紙7社の映画記者による選出)は俳優・高倉健(68=当時)が『幸福の黄色いハンカチ』以来22年ぶりに2度目の主演男優賞を獲得。マスコミの前に登場することが極めて少ない健さんが、冗舌に90分にわたりロングインタビューに答え「たけしさんにいい本をもってきていただければ総イレズミでヤクザ映画をやる」と話した。

 健さんは主演映画「鉄道員(ぽっぽや)でモントリオール映画祭でも主演男優賞を獲得した。国内外の評価の高さに「どうしてオレがもらうの…」と戸惑いながらも「感無量。この作品からなかなか離れられない。愛着がわいた。映画は恋愛に似ている」と語った。

 映画では、無口で仕事一筋のまじめな鉄道員を演じたが、反動も出た。「本当にオレの得意なのはああいうんじゃないよ」

 北野武監督(ビートたけし)は常々「健さん主演でヤクザ映画を撮りたい」と話しているが、これに対して「いい本をもってきていただければいつでも。今年はスケジュールがガラ空きです」とラブコールにこたえた。

 そして「ゴッドファーザー」のような映画が大好きだとひとしきり語り、健さん主演のヤクザ映画構想もブチ上げた。「状況的にヤクザをやるしかない男が人生の中で、ひとつだけいいことをするというような映画がいい。それも現在を映し出すものでないと意味がない。安藤(政信)くんのようにギラギラした目をした若い俳優と共演したい。たけしくんがヤクザの台本を書くのであれば総イレズミで出たい。こんなこと言うとアセっているとか言われちゃうか?」。映画に対する熱意がひしひしと伝わってきた。

 健さんというと「鉄道員(ぽっぽや)」「動乱」など寒い地方や冬のロケが多いせいか「雪」「外套(とう)」といったイメージが強いが、実は寒いのが苦手。「ぼくがバミューダが似合うの知らないんだよね、みんな」と笑わせた。

 顔、手の甲にしっかりと刻み込まれたシワやシミはいくつもの映画に主演した健さんの“勲章”のように見えた。「今でも、おれは役者に向いてないんじゃないかと思うことがある。苦しんで苦しんで他の役者より何倍も苦しんでいるという気持ちはある。当たり前かもしれないけれど勝(新太郎さん)は向いていたけど…。人間は残酷なもので、もがき苦しんだ姿を(映画で)見て感動するのかもしれない」と根っからの役者と思われていた健さんから意外なコメントも聞かれた。