内定取り消し「日テレvs女子アナの卵訴訟」の背景に夏目三久騒動のトラウマ

2014年11月12日 06時30分

いまだ日テレのトラウマとなっている夏目

“あの騒動”の呪縛か? 日本テレビが、アナウンサーとして来春入社予定だった女子大生の内定を取り消し提訴されたことが10日、明らかになり波紋を広げている。原告は東洋英和女学院大(神奈川)4年生で、2011年のミス同女学院に輝いた笹崎里菜さん(22)。日テレ側は、取り消し理由に過去のアルバイト歴を挙げ、写真流出が発端で退社に至った夏目三久アナ(30=現在フリー)をめぐる5年前の騒ぎまで持ち出したという。目下、視聴率3冠の日テレが、なぜそこまでするのか? 夏目アナの名前まで出した真意を探ると――。

 キー局VS女子アナの卵という前代未聞の法廷バトルが始まる。

 10日発売の「週刊現代」によると、笹崎さんは3年生だった昨年9月、数千倍と言われる日テレアナ採用試験に合格。ところが内定者研修を受けていた今年3月、人事担当者に「母親の知り合いの銀座の小さなクラブでホステスのアルバイトをしていた」と相談すると、事態が一変した。

 4月に人事部長から内定取り消しを突きつけられ、ホステスのバイト経験を挙げて「傷が付いたアナウンサーを使える番組はない」「アナウンサーとしての清廉性にふさわしくない」と説明された。さらに「夏目のときはいろいろと書かれて、本人が傷つき、退社してしまった。笹崎は大丈夫か?」との問いかけもあったという。

 当然、諦められない笹崎さんはアナ採用の確認を求めて提訴した。

 元フジテレビアナで現在フリーの長谷川豊(39)が「何が問題なの!? 職業差別に当たります」と憤慨するように、ネットにも「これは日テレ分が悪い」「原告が勝ちそう」といった批判的な書き込みも見られる。

 とはいえ、こうした事態になるのは、日テレ側としても分からぬはずはない。にもかかわらず内定を取り消したのはなぜなのか?

「テレビ局としては女子アナは“局の顔”ですからね。過去には、噂が出ただけで、職を解かれ異動になった女子アナだっているくらいですから、ナーバスになるのも仕方ないですよ」とはある制作会社のスタッフだ。特に朝の番組では視聴率を左右する主婦たちの目線で考えれば、ホステスのアルバイト歴はマイナス材料かもしれない。

 だが、そうは言っても元キャバクラ嬢がコメンテーター的な立場でテレビに出演し、現役女子大生やOLが週2~3回アルバイト感覚で銀座や六本木の高級クラブやキャバクラで働く時代だ。日テレのあまりにかたくなな入社拒否の姿勢は不自然にも映る。そのあたりの裏事情を同局の関係者がこう解説する。

「ウチにはチャラチャラした女子アナは必要ない。夏目のコンドーム写真の流出騒動で、改めて『女子アナはOLではなく公人である』という見方が徹底されて、日テレ内で求められる女子アナの基準は余計に厳しくなった」

 確かに個室でのプライバシーが写真誌に掲載された夏目アナの騒動は日テレや本人に大ダメージを与えた。

 だが、ホステスのアルバイトとプライベートな写真の流出は、必ずしも結び付かない。厳しい親のもと、世間知らずの箱入り娘で育った女子大生と比べれば、男性との接点がある分、不安になるのかもしれないが、それにしてもあまりに神経質すぎるのでは?

「夏目騒動もそうですが、水卜(麻美)アナが人気になっている現状を考えると、プライベート写真に神経をとがらせているのは、わからなくはない。今回も人事からの“写真などないか”という話がきっかけだったと聞いています。どうやら“こういうアルバイトをしていたから、写真があるかも”ということのようです。そうでなければ、局もこんな判断をしないだろう」

 やはり夏目騒動の“トラウマ”が原因で、内定を取り消したようだ。

 気になる裁判の行方について、日大の板倉宏名誉教授(刑法)は「銀座でホステスのアルバイトをしていただけということで内定取り消しというのは、できないのではないか」との見解を示す。日テレ側は、事前に知らされていなかったと主張する可能性もあるが「それでも、アルバイトの内容を言わなかったことを理由に内定取り消しという判断はできないのではないか」。

 前代未聞の訴訟対決は14日に火ぶたが切られるが、もし負けたら、日テレはとんだ大恥をかくことになりそうだ。