14・3%と8・8%――。この数字は、放送前から注目対決と騒がれていた綾瀬はるか(29)主演の日本テレビ系「きょうは会社休みます。」と、沢尻エリカ(28)主演のフジテレビ系「ファーストクラス」の15日に放送された初回の関東地区視聴率だ(ビデオリサーチ調べ)。“水10ドラマ対決”と前評判では大接戦も予想されていたが、ここまで大きな差がついてしまったのはナゼなのか。沢尻の敗因を分析すると――。

「綾瀬さんを手ごわい相手とは見ていたようですが、フジの上層部もまさかここまで離されるとは思っていなかったと、ため息をついています」とはある芸能プロ関係者だ。

 一歩間違えればダブルスコアにもなりかねないこの差。テレビ局関係者は「先月8日に行われたフジの10月期の改編記者会見に、亀山千広社長がわざわざ沢尻さんを呼んでいるんです。もう1人は月9ドラマに主演する小栗旬さん。フジがどれだけ期待をかけているかがわかります」と話す。それだけに、出てくるため息も深いものになったのだろう。

 そもそも、今回の「ファーストクラス」は4月期に深夜枠(土曜午後11時10分から)で放送されたドラマ「ファースト・クラス」の続編。ファッション誌の編集部が舞台で「私以外、全員悪女」という設定だ。自己の優位性、上下関係を態度や言葉で格付けしあう「マウンティング」が話題になった。

 番組の冒頭と最後に主要人物8人の「マウンティングランキング」が発表され、毎回順位が入れ替わるのも視聴者の興味をそそった。

 今回、舞台がファッション誌からファッション業界へと移ったが、この「マウンティング」の要素は変わらず。沢尻が容赦ない手段で、女たちの仁義なき闘いに挑んでいく。

 前出の芸能プロ関係者は「もともと深夜帯で人気があったものをゴールデン・プライムに持ってきているのだから、録画している人は多いと踏んでいます。数字が悪かったからといって、現場の雰囲気は変わらずいい。今回、沢尻以外のキャストが大幅に代わったことで、“先輩”の彼女がムードメーカー役を買って出ています」。

 まだまだ深刻な様子ではないが、この深夜からの枠移動が、大きな差の原因と分析している人も多い。ある制作会社幹部はこう証言する。

「女の対決を描かないといけないのだからしょうがないんだろうけど、ひと言で言えば『大げさ』。深夜に見るならば、このくらい派手な演出でもいいんだけど、10時台だとちょっと引いてしまう」

 さらにキャストに難アリとの見方も。

「やっぱり深夜と比べると見る層が違う。若年層が大部分を占めるのだが、数字を持ってこれるイケメンがいない。一方、綾瀬の『きょうは会社休みます。』はいまをときめく福士蒼汰がいる。福士だけで映画一本当てるくらい“持っている男”ですからね。この差は大きいですよ」とはドラマ関係者。

 当然「沢尻にだけは絶対負けられない!」と綾瀬サイドも鼻息は荒く、「今回、綾瀬さんはPR番組や『踊る!さんま御殿!!』などのバラエティー番組にも積極的に出演している。これはかなり異例のことです」とはテレビ局スタッフ。差が埋まる要素は見当たらないが、「一筋縄ではいかないのが沢尻。起死回生の策を練っているところだそうで、一発大逆転を虎視眈々と狙っているそうです」(前出の芸能プロ関係者)

 綾瀬と沢尻。最終的に「マウントポジション」を取るのは、いったいどちらか。