フジテレビ系ドラマ「GTO」に出演したアイドル夏目亜季(23)が子宮頸がんであることを本紙に初告白した。別の難病を抱えながらの発症のため手術は不可能で、今後は放射線と抗がん剤による治療で病に立ち向かう。「がん克服の啓蒙活動をしたい」と使命を感じ告白を決意。「幸いがんは初期なので」と前向きな笑顔を見せ、治療をしながらタレント活動を続けるという。

「子宮がんです」

 9月初旬、そう医師に告げられたとき、夏目はわが耳を疑った。「死の宣告のように思えた」(夏目)。数時間、病院のイスで泣き崩れ、ラジオなどすべての仕事をキャンセルした。「タレントを辞めようと思った」

 振り返れば、病気やケガと闘う壮絶な半生だった。17歳のときに日本に1700人程度しかいない「自己免疫性溶血性貧血」という難病に。18歳のときには全治6か月の交通事故に遭い、助手席のフロントガラスに頭部を強打し、外傷性くも膜下出血で生死の境をさまよった。

 難病の再発。声帯の病気。そして今回のがん。さらにリンパ節への転移。わずか5年の間に、神は夏目に試練を与え続ける。がんが見つかったのはたまたまだった。

 生理のようにずっと出血が止まらなかったことで、友人に勧められ検査を受けたのが発見につながった。

「がんになったのは難病のため、免疫力が弱まっていたせい。痛みはないのですが、3センチほどのがんだそうです。幸い初期なので…。でも精神的なショックがあり、ジンマシンが出ました」

 血液の難病を抱えるため、手術は不可能と判断され、放射線と抗がん剤による治療を決意。

 主治医の尽力により最先端の病院で高度な治療を10月下旬から受けることができる。

「私、30歳まで生きられるかなあ、って正直思いました。でも、今は抗がん剤の副作用を防ぐ良い薬もあって、だるさを抑え、髪の毛もあまり抜けないものがあるらしいです。それを聞いて少し安心してます」

 治療は通院で済みそうだ。力を振り絞り芸能活動を続ける。

「考えようによっては私、ツイているのかも。だって3回も死を意識する病気になって、まだこうして生きているのですもの。治療中は普通に生活していいそうです」と屈託なく笑う。

 夏目のよき理解者としては、漫画「まいっちんぐマチコ先生」の作者・えびはら武司氏(60)がいる。京都出身の同郷で応援してくれるという。

「先生は私が、マチコ先生に最もイメージが近いと言ってかわいがってくれています。この前もイナズマカフェという漫画家の“聖地”の喫茶店や、モノマネお笑いライブに連れて行ってもらって、元気をもらいました」

 えびはら氏のリクエストで、夏目は「マチコ先生」コスプレを着てイベントにも登場し、ファンも同氏も大喜びだ。

 今後はがんを抑止し、克服するための啓蒙活動を行いたいと張り切る。「命の大切さを伝えていくべきだと思います。それが私に託された使命」と力を込める。「若いからって検診を受けない方が多いと思う。私ももっと早くに検診に行っていれば、こんなことになっていなかった。この病気は、人ごとではないんです」と警鐘を鳴らす。

 大切な精神的なケアのためにも自ら動く。

「がん患者はナイーブになりがちですが、私が生き抜いて、こんな明るくがんばっているんだ!と思っていただいたら、いいなあ。つらい思いをしている人は、それだけで救われるかもしれない。アイドルとして活躍して、生きる希望になってくれたら」

 度重なる不幸は神が与えた「使命」かもしれない。「選ばれたととらえるしかない」と、夏目は不屈の魂で、がんに立ち向かう。

☆なつめ・あき=1990年10月26日生まれ。京都府出身。血液型A。アニメ「サクラカプセル」をPRする“看板娘”に就任し、活躍中。2013年4月「GTO 完結編~さらば鬼塚!卒業スペシャル」出演。14年10月20日、ザ・グレート・サスケ&えびはら武司氏のイベント「Fight・of・the・Ring~サラダボール~」(東京・新宿)で歌手としてミニライブを行う。T148・B88・W62・H89。