米国の歌姫マライア・キャリー(44)が、最新アルバム「ミー。アイ・アム・マライア」を引っ提げて、去る4日に千葉・幕張でワールドツアーを開幕した。1日おいて6日には横浜で公演を行ったが、駆け付けたファンが異変に驚いたという。今回で8年ぶり6度目の来日公演だったが、かつての美声はガラガラで、たびたび休憩を挟むなど内容は散々。そんな姿を撮影しネットにアップした動画が、世界中に拡散している。いったいマライアに何が起きたのか?



「あれはコンサートというよりコメディー!?」と苦笑するのは、幕張メッセ公演を見届けた30代男性だ。「世界で最も高い声を出す人」としてギネス認定され、音域が5オクターブとも7オクターブとも言われる歌姫の姿は、そこになかった。


「地声がガラガラで出てないのに、高い声は急によく出て音響も違うから、不自然に聞こえるときもあった。でも、キンキン声の『エモーションズ』とか頑張ってました」


 他の観客に聞けば、アンコールの「ヒーロー」を含め22曲披露し(6日はアンコールなし)、その6割ほどが、音程が外れたり、違和感を感じたという。


「かなりキーを下げたアレンジが多かったですね。高音パートに差し掛かると歌うのをやめて、いきなりトークを始めたりもしてました。『日本語で言ってみて!』と観客から突っ込まれ『アタシ学校(大学)に行ってないから、日本語分かるわけないでしょ!』とか」


 しかも、マライアは踊らない。「踊るのは若いダンサーたちだけですよ。マライアは動いたかと思ったら、ベッドに寝そべってました。それもいきなり2曲目で! しかも口パクっぽかったし」


 さらに曲と曲の間隔が空いて、マライアがそのつど引っ込んで休憩していたという。


「そんな外タレのコンサートは初めてです。インターバルがなかったのは最初の3曲だけ。1曲終わると真っ暗になって、1~2分するとマライアがダンサーに手を引かれて出てきて歌う…の繰り返し。観客は一番長い時で5~6分待たされました。でも、また現れたマライアは、衣装すら替わってない」


 台風が首都圏を直撃した6日の横浜公演も、同様の内容だったようだ。


 あまりに衝撃的な歌姫の“激変”ぶりに、ユーチューブに投稿された幕張公演の動画に、閲覧者からは「もうやめたほうがいい」「聴いてられないよ…」などと英語圏からの書き込みが相次いだ。いったい、マライアに何が起きているのか?


 この“惨状”は、最近のマライアの「不安定な精神状態によるもの」という見方がある。


 マライアといえば、夫でラッパー兼テレビ番組司会者のニック・キャノン(34)とすでに別居、事実上、離婚したことが8月、明らかになったばかりだ。離婚原因については「ニックの浮気」や「ニックが売れっ子になって収入格差が縮まり、それまでの“かかあ天下”だった夫婦のパワーバランスが崩れたこと」などが挙げられている。


 ある業界関係者は「これまで完全支配下にあったニックが、もはや言いなりにならなくなり、ずっとイライラが続いていた。そんな妻にニックが嫌気が差したようだ。歌唱力の劣化も、そんな精神状態の表れだと思う」と語っている。


 ネット上でも「やっぱりニックとの離婚で精神的に参っているんだよ。それが歌にも影響していると思う」との書き込みや「それでも口パクしないマライアはすごい」などと同情的なコメントもある。


 数々のセールス記録や受賞歴をもつ世界的歌姫のワールドツアー初日が、目を覆うばかりのステージ。万全とは程遠いコンディションで、11月半ばまでのツアーを回りきれるのか心配だ。ちなみに日本公演の入場料は9000~1万8000円だった。