覚醒剤取締法違反などで有罪判決が確定した歌手ASKA(56=飛鳥涼、本名・宮崎重明)と愛人関係にあった栩内(とちない)香澄美被告(37)の第3回公判が2日、東京地裁で開かれ、被告人質問で逮捕当日の“泥酔中出しセックス”の詳細が赤裸々に語られた。無罪を主張する栩内被告は、2時間の行為後に全裸で爆睡してしまったことまで明かし、あまりの生々しさに法廷は騒然。あえて弁護側が“恥部”を明かした狙いとは――。

「とにかくASKAさんは(性行為中に)汗をかきます。上にいる彼の汗が顔に落ちてくるし、私の髪の毛も汗でぬれます。というか、地肌まで染み込みます」

 栩内被告は臨場感漂う“汗だくセックス”の一部始終を明かした。ここまで事細かに証言したのは、裁判の焦点が同被告から出た覚醒剤の陽性反応が「ASKA由来のものであるか、否か」だからだ。

 そこで弁護側は、逮捕された5月17日の2人の行動を事細かに説明する作戦に出た。その際、前フリとして弁護側から酒豪ぶりを聞かれた同被告は「かなり飲みます。大酒飲み…です」と照れくさそうに答えた。

 逮捕前日の16日も夕方から翌17日の午前2時ごろまで飲み会に参加。かなりのペースで酒を空け、気づいたころには「相当な酔っ払いでした」。

 そんな中、突然ASKAから「今から行く」と連絡があったという。同被告は「本当なら翌日(17日)の夜に会う約束をしていました。なので『行く』と聞いた時はビックリしました。彼が来ることを知っていれば、そんなに飲みませんでした」と振り返った。前倒しで会いに行くほど、ASKAは“我慢”できなかったのか…。

 それでも同被告は、愛するASKAの訪問を了承。すぐに自宅に戻り、リビングのテーブルを片づけ、マットレスを2枚重ねて“専用ベッド”を作り、その上にバスタオルを敷いた。そこまでやったのは「彼が汗かきだから」。エアコンの温度も18~20度に設定した。

 ASKAが到着したのは午前3時すぎ。同被告はすでに酩酊状態だったがシャワーを浴びた。

 行為が始まったのは午前4時。ASKAはシャワーを浴びずに襲いかかる。汗でびしょびしょになりながら行為は約2時間に及び、最後は生でフィニッシュ! 弁護側に「避妊はしないのか?」と聞かれた同被告は「はい。避妊薬のピルをいつも飲んでいます」と平然と答え、当日は生理でなかったことも補足された。

 セックスを終えた同被告は「普段ならティッシュで(精液を)拭いたり、シャワーを浴びたりするのですが、この日は疲れて、そのまま全裸で寝てしまいました」と少し声を弾ませながら語った。

 同被告が再び目を覚ましたのは午前9時ごろ。捜査員がドアをドンドンと叩く音に起こされたのだ。

 状況が理解できない同被告はドア越しに「裸なんですけど…」と告げたが、「着てください」と言われてバスローブ姿に。すでに部屋からASKAの姿は消えていた。その後、部屋に捜査員がなだれ込み、同被告は警視庁東京湾岸署に連行され逮捕。毛髪&尿検査で陽性反応が確認された。

 赤面モノの性描写を弁護側が明かしたのは、綿密に練られた作戦のようだ。法曹関係者は「セックス後、入念に膣内洗浄せず、シャワーも浴びないまま薬物検査を受けたことで、ASKAの体液による陽性反応が出たと言いたいのでしょう。また当日の彼女は泥酔状態で、自らの意思では覚醒剤を吸引できる状態になかったとアピールする狙いがあるのでしょう」と解説する。

 一方、検察側は尿検査を担当した科学捜査研究所の男性職員を証人出廷させ「精液に混入する覚醒剤成分は、ごく微量で、仮に混入していても検査で陽性反応を示すことはない」と反論。陽性反応が出るには、缶ビール1本分に相当する370ミリリットルの精液が必要だとした。

 なりふり構わない栩内被告の主張は今後の法廷でも続きそうだ。