今年度上半期(3月31日〜9月28日)の平均視聴率で、日本テレビが全日(午前6時〜深夜0時)、プライム(午後7〜11時)、ゴールデン(午後7〜10時)で首位となり3冠を達成した。

 上半期だけでなく、日テレは昨年12月から10か月連続で「月間視聴率3冠」を続けている。9月の定例会見では大久保好男社長が「予想を超える高視聴率」と話したほどで、まさに“圧勝”と言える数字だった。

 日テレの高視聴率の秘密について、制作会社関係者は「日テレの内容がすばらしいと言うより、他局がだらしないだけですよ」と指摘する。確かに、かつて日テレと肩を並べ激しい視聴率争いを繰り広げてきたフジテレビなどは一向に上向く気配が見えない。

 ただフジはここ数年にわたって低迷しており、視聴率が悪いのは今に始まったことではない。むしろ意外だったのは昨年、日テレとトップを争ったテレビ朝日が急激に落ち込んだことだ。

 テレ朝は昨年の年間視聴率で、全日こそ日テレにトップを譲ったが、プライム、ゴールデンの2冠を達成。これは開局以来初の快挙だった。
 ところが今年に入ってから急激に失速してしまった。

「最近は日テレだけじゃなく、フジやTBS、NHKなどより平均視聴率が下、ということが多くなった。かつて『振り向けばテレビ東京』などと言われていたが、そのころの状況に近付きつつある」(前出の制作会社関係者)

 その原因は何なのか?

「まずテレ朝がここ数年、躍進したのはバラエティーの人気だった。それは番組の放送時間を工夫した編成の勝利だったんです」(同制作会社関係者)

 これは午後8時スタートのバラエティーを同7時57分スタートにして、他局より少し早めに放送を開始し、いち早く視聴者を取り込む作戦。このやり方が大当たりして視聴率アップにつながったという。

「でも最近は、他局もこのやり方をマネして取り入れはじめたので、テレ朝の優位性はなくなった。あとは内容で勝負するしかない」(同制作会社関係者)

 ただ肝心の内容がここ数年、代わり映えしないのだ。

「『帰れま10』に代表されるファミレスとタイアップした企画ばかりやってたら、すっかり飽きられてしまった。あとはクイズばかりだし」(芸能プロ関係者)

 また夕方に人気ドラマ「相棒」の再放送をやり続けているが、これも数字が取れなくなっているとか。

「数年前から毎日やってるから、誰でも飽きますよ」(前出の芸能プロ関係者)

 4月には昼の情報番組「ワイド!スクランブル」の時間帯を変更。番組の途中である正午から「徹子の部屋」を入れる編成にしたが、これが完全に裏目に出た。

「昨年、日テレに負けた全日の視聴率を上げようとしての改編だったが、ワイドショーを見たい人はみんなTBSの『ひるおび!』に流れた」(同芸能プロ関係者)

 テレ朝の躍進は一時的なもので終わりそうだ。