スコットランド独立問題で「ネッシー争奪戦勃発!」

2014年09月19日 05時10分

デーリー・ミラー紙は13日には、ネッシーがスコットランド独立に「NO」という写真を掲載した(インターネットから)

 ネッシー争奪戦勃発!! 英国スコットランドで18日に行われる独立の賛否を問う住民投票に、重大な“争点”があった。日本時間19日午後に結果が発表される見込みの住民投票で、賛成派が勝利すると2016年3月、スコットランドは独立国家となる。すでに通貨ポンドの扱いなど数々の問題点が論じられているが、重要な観光資源である未確認生物(UMA)のネッシーをめぐって本気の奪い合いが発生している。

 1980年代を中心としたサッチャー政権の経済政策で炭鉱や工場の閉鎖が相次ぎ、中央政府への反発が高まったスコットランド。北海油田からの税収を直接使えれば、経済的にもやっていけるという見込みなどから独立運動が広がった。

 投票が迫り賛成派と反対派の論争は激化し、英紙デーリー・テレグラフなどメディア3社の世論調査は、いずれも賛成48%に対して反対が52%と拮抗(態度未定を除く)している。賭け屋も多くが接戦を予想。世論を二分する状態に、エリザベス女王(88)は「将来のことを慎重に考えるよう望んでいる」と、反対示唆と受け止められるコメントを出した。

 独立となれば英国は、国土の約3分の1、人口の同1割が消える。さらにネッシーも失うことになる。

 ご存じネッシーは、スコットランド北部のネス湖で約1300年前に目撃されて以来、1930年代には写真が撮影され、世界的な話題となった。UMAのパイオニアで、もはやその存在の有無を超え、世界的認知を得ている。

 英国はUMAを利用した観光戦略「クリプト・ツーリズム」でネッシーを宣伝。旅行ガイド本にはネス湖が紹介され、周辺は多くの観光客でにぎわっている。

 世界的旅行雑誌が昨年発表した「2014年に旅行マニアが見たい世界の18の謎」では、ネッシーが3位に。12位がヒマラヤに存在するとされる雪男のようなUMA・イエティで、1位のモアイ像を含めて、ほかはすべてピラミッドなどの建築物。英国の公共放送BBCは「ネッシーがイエティに勝った」と喜んで報じている。

 スコットランドが独立したあかつきには、ネッシーは北海油田と並んで重要な“資源”となる。一方の英国は、世界的UMAのシンボルキャラクターを失う大打撃となるのは明白だ。

 ネッシーは初めて撮影されて以降、毎年、コンスタントに目撃・撮影されてきたが、この25か月間、目撃が一切なくなった。英国民はショックを受け、多くのメディアが「目撃がないのは大事件」と報じていた。

 ところが、住民投票が迫る中、イングランド北西部にある湖水地方でネッシーの目撃情報や写真が掲載され始めた。「ネッシーを(イングランドの)ウィンダミア湖に移すべき」との声も上がるなど、ドル箱のネッシーを巡る利権争いが、すでに勃発している。

 11日付の英デーリー・ミラー紙はウィンダミア湖で同日に撮影されたネッシーの写真を掲載している。同湖はネス湖から240キロも離れているが、英国人は「ネス湖からネッシーが引っ越して来てくれた」と大喜び。

 しかし、UMAに詳しい作家の山口敏太郎氏はこんな見解を示す。

「スコットランド独立騒動に嫌気が差したネッシーが新しいすみかに引っ越したとしたら面白いのですが、写真を見ると非常に疑わしい。特撮に詳しい人間ならすぐに分かりますが、ハリボテを引っ張ったときにできる波のようです。百歩譲って、象の水浴びの可能性があります。英国には象はいませんが、移動動物園や移動サーカスが多いので、湖で象を水浴びさせることが多いんです。たまたまその瞬間を撮った可能性もあるでしょう」

 さらに同紙は13日付で「ネッシーが反対をアピール」と、胴体で「NO」のシルエットを作った“スクープ写真”を掲載した。これも、一目見るだけで“捏造(ねつぞう)”。もっとも英国側としては、何が何でもスコットランドからネッシーを奪いたいとアツくなったがゆえの“熱造”報道とも言えそうだ。

 スコットランド独立の是非とあわせ、ネッシーのすみか問題が大マジメに英国、スコットランド間で論争の火種となりかねない。