ASKA被告(56=本名・宮崎重明)とともに覚醒剤取締法違反(使用)の罪で起訴された栩内香澄美被告(37)の第2回公判が9日、東京地裁で開かれた。

 栩内被告は黒ジャケットに黒ぶちメガネで出廷。7月22日の初公判以来、同被告は一貫して無罪を主張しているが、この日、検察からは部屋のエアコンのフィルターから覚醒剤の陽性反応が検出されたことを提示された。

 これに被告側は「(ASKA被告は)家に来た時、性行為が終わったあと、帰宅時にガラスパイプで何かを吸っていた」と新たに主張。さらに「彼からよくサイレース(睡眠導入剤)を勧められた。『君の寝言は面白いから』と言われ、処方していた。私が寝ている間に(覚醒剤を)吸っていたのかもしれない」と、陽性反応はあくまでASKA被告によるものだと強調した。

 栩内被告が「誤りだ」とする毛髪鑑定の結果については、科学捜査研究所の担当者K氏が証人出廷し猛反論。K氏は採取した毛髪は何度も洗浄してから鑑定にかけるため、栩内被告の言う「ASKAの汗が毛髪に付着した」という言い分は「ありえない」と断言。鑑定結果から「彼女は約2週間前から覚醒剤を使用していた」と結論付けた。

 2回目の毛髪鑑定では陰性反応だったが、K氏は2度目の鑑定は麻薬取締官が行ったもので「やり方によっては誤差が生じる」と補足。科捜研が行った1回目の鑑定結果に絶対の自信を持っているようだった。

 天下の科捜研の威信をかけた証言に、被告の弁護団は「何度も洗浄したのを確認した第三者はいるのか?」「本当は1回なんじゃないか?」と揚げ足を取るのがやっと。旗色が悪くなった印象は拭えなかった。

 第3回公判は10月2日午後1時から開かれる。