コンビ解散への序曲なのか? お笑いコンビ「ナインティナイン」がパーソナリティーを務めるラジオ番組「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)で矢部浩之(42)が卒業を発表したが、関係者からは「例えればこれでウッチャンナンチャンのようにナイナイも実質的に解散状態になっていく」との見方が浮上している。矢部の決断には「今後はピンの仕事を増やす」という決意も見えているという。

 ナイナイの「オールナイトニッポン」が始まったのは1994年4月で、これまで実に20年以上にわたって番組を続けてきた。これは「オールナイト――」のパーソナリティーとしては歴代最長記録。“伝説のラジオ番組”と言われた「ビートたけしのオールナイトニッポン」でさえ、放送期間は10年間で、その2倍もナイナイは続けてきた。28日深夜の放送では、番組を終了しようと提案したのは矢部だったことを明かしたが、そもそも、仕事について矢部の方から岡村隆史(44)に提案したのはこれが初めてだった。2人は同じ高校のサッカー部で岡村が1年先輩という間柄。コンビ結成24年になるが、仕事に関しては常に岡村が主導権を握ってきた。


「今までナイナイのプロデュースは全部岡村の意向だった。彼はとにかく頑固で、自分で納得できないことは絶対にやらないタイプで、周囲からは『扱いづらい』との声もあった」(テレビ局関係者)。その端的な例が、3年前に電撃引退した島田紳助(58)に対する言動。「紳助の引退直後、吉本興業が所属タレントに『紳助に関する話はしないように』とお達しがあったにもかかわらず、岡村だけは『紳助さんは僕の恩人』などとコメントし続けた」(同)


 それが今回、矢部の方から番組終了を提案したのは、よほどの覚悟があったとみられる。

「いい加減な提案なら岡村は認めない。放送でも岡村は『矢部はノリで“もうやめようか?”て言うたわけでもないですし』と納得していました」(同)


 そんな矢部が「オールナイト――」終了を決めた裏には「お互いピンで仕事をした方がいい」との思いがあったとみられる。


 それほど2人は最近、ピンでの仕事が増えており、安定もしている。矢部は「やべっちFC」(テレ朝系)、「アウト×デラックス」(フジ系)。一方の岡村は「東野・岡村の旅猿」(日テレ系)、「なるみ・岡村の過ぎるTV」(朝日放送、関西ローカル)などだ。


「“ナイナイ”として出演する番組もあるが、2人がきっちり話をするのは『オールナイトニッポン』だけ。それがなくなると、それぞれがピンの仕事にまい進する方向に向かう。ウッチャンナンチャンもそうですが、いまや2人で出る番組はないし、方向性も違う。ナイナイにしても、2人ともピンでやっていける力はあるし、お互いの良さを出すなら、ピンで進むという選択肢も増えてくる。今後はナイナイとしての仕事は減っていき、実質的な解散状態になるのでは」(お笑い関係者)


 さらに最近、ナイナイの看板番組といえる「めちゃ×2イケてるッ!」(フジ系)の視聴率が低迷している。


「『めちゃイケ』の打ち切りもささやかれているし、9月末でTBSのレギュラー『それってどんなヒト? 捜査バラエティGメン99』は終了しますしね。もちろん2人での仕事を受けられるように、正式に解散することはないでしょうが」(同)


 矢部が去る「オールナイト――」は10月から「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」と番組を一新するが、長寿番組のリニューアルは、人気コンビを違う方向へと歩ませる最初の一歩になりそうだ。