謎の未確認バンド「宇宙人」の存在を本紙は5月11日付で伝えたが、本人たちから「東スポに真実を話したい」というオファーが届いた。ちまたでは「宇宙人が地球人のために泣ける曲を書いている」とも噂される話題のバンド。「話したい」と言ってきたにもかかわらず、登場したのはメンバーの1人だけ。それでも、いくつかの謎が明らかになった。本紙ならではの“宇宙人インタビュー”を公開する。 

「キングレコード」の本社2階。本紙は宇宙人の到着を待った。10分後、会議室のドアが開いた。記者の前に現れた女性の姿をした“宇宙人”は、「『しのさきあさこ』と申します。歌を歌ったりしてます」と地球の日本語で自己紹介した。

 他に3人のメンバーがいるはずだが、しのさきという女性は「今日はいません」と語り、不在理由の説明はなし。しのさきに宇宙人のことを聞くしかない。

 宇宙人が結成されたのは2008年というが、しのさきは「知り合ったのがそのころ。2年くらいはボロい居酒屋めぐりをしながら、無駄にウロウロしたりしてました。音楽をやろうと集まったわけではないです。ほんと、いつの間にこうなったのか」。この宇宙人は、さほど高級でない酒が好きなようだ。

 活動開始は2010年。同年、新潟で行われた日本最大級の野外ロックフェス「フジロックフェスティバル」の新人アーティストの登竜門的ステージ「ROOKIE A GO―GO」に出場し、本格的に音楽活動をスタートさせたという。

 それしてもなぜバンド名が「宇宙人」? 単刀直入に「宇宙人と関係があるのか?」と問うと、「由来や意味は全くない。UFOを見たこともないです。本当はパソコンのスペースキー3つ分で、(バンド名を)何もない空白にしたかったんです」と明かした。

 この答えも意味が分からないが、当然ながらステージに立つ時、スタッフから「バンド名は必要」と諭される。

 「それで当時、私の身近な言葉が宇宙人だったので、付けたんです。はははは~」と突然、笑いだした。

「(地元高知の)ホームセンターでアルバイトしていた時、私はクレーム電話が来たらすぐに切っていて、周りから『電話に出たらダメだ!』と言われていた。アダ名が『宇宙人』だったんですよね。ウフフフフフ!」

 出身地・高知での活動はまったくなく、主に大阪や東京で活動中。他のメンバーの特徴をしのさきは「1人はすごく(体が)ガチムチ(ガッチリムチムチ)系ですけど、ベビーフェース。あと1人は(スタジオ)ジブリ顔で(映画『耳をすませば』に登場する)の天沢聖司みたいな顔。最後の1人は半魚人みたいな顔してます。ウフフフ!」と何とか教えてくれた。

 終始ロボットのような口調のため人間かどうか疑う余地も多分にある。

“バンド・宇宙人”で困ることもあるようで「私たちをインターネットで検索しても、目の大きい本物の宇宙人が出てきて、困ります。あとは『銀のタイツをはいてないんだね』とはよく言われるのも困ります。東スポさんといえば、ツチノコですよね。途中にちょっとエッチなページがある。これ、東スポさんに載るんですか?」

 取材後、感じたのは、バンド・宇宙人は“本物”の宇宙人かもしれないということだ。