ラスボス強し! 演歌歌手・小林幸子(60)が17日、東京・江東区の東京ビッグサイトで行われた、世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット86」(15~17日まで開催)に初参加した。

 小林は紅白歌合戦の終盤に巨大できらびやかな衣装で登場する様子から、ネット上で「ラスボス」と呼ばれ、昨年からはニコニコ動画などネット文化、オタク文化にも積極的に取り組んでいる。

 コミケには「ニコ動に代表される若者の物づくりに興味を覚えた」(小林)といい、「5884組」(こばやしぐみ)の団体名で一般参加した。

 紺の和装姿で売り子として登場した小林は、人気ボーカロイド曲をカバーしたミニアルバム「さちさちにしてあげる♪」を販売。CDを入れる紙袋には「ラスボス降臨」と書かれた。

 コミケでの小林人気はすさまじく、CDを購入するため「最長で1キロくらい並んだ」(ブーススタッフ)というほどの長い列ができた。用意された1500枚のCDは開始から2時間40分で完売した。

 ブースではファン一人ひとりに丁寧に対応し、CD完売後には購入できなかった会場外のファンのもとに向かい握手。演歌で培った細かい心配りでコミケ参加者の心もつかんでみせた。

 終了後、小林はコミケへの初参加について「気温もそうですけど、物づくりへの気持ちも予想以上に熱くて素晴らしい。私のために5時間並んでくれた方からは『ご苦労さま。コミケに来てくれてありがとうございます』と言われ、コミケを愛してるんだと感じた」とコミケ参加者を絶賛した。

 会場の湿度は80%を超え、過酷な暑さとなったが「体力? ぜんぜんOKです。大丈夫です」と紅白での巨大衣装で暑さには慣れているのかケロリとしたもの。さすが“ラスボス”の貫録を見せた。

 12月にもコミケは行われるが「暑いので、きょう一日終わってから考えます」と参加について明言はせず。ただ関係者は「コミケ参加や別の企画など具体的に何か決まったものはないが、小林自身も楽しんでいるので、柔軟に求められることには対応していきたい」と語っており、今後も若い層へのアプローチは続けたい方向だ。