言わずと知れたギャグ漫画の金字塔「天才バカボン」の初の長編アニメ映画が、来春公開されることが本紙の取材でわかった。しかも、バカボンに負けず劣らずの国民的人気アニメ「フランダースの犬」の登場キャラクターと共演するというから驚きだ。同作のエンディングで天に召された少年ネロと愛犬パトラッシュの“その後”が描かれるが、なんとネロたちは悪の手先となってよみがえる。バカボンのパパとの対決もあるというから、かなりの衝撃作になるのは間違いない。とはいえ、これでいいのか!?

「天才バカボン」は、ご存じの通り日本を代表する漫画家、赤塚不二夫氏(享年72)が生み出した人気のナンセンス・ギャグ漫画。その映画の製作がスタートしたとの情報を本紙はキャッチ。関係者によると、バカボンの長編アニメ映画化は初という。

 気になる内容は――。バカボンやパパなどの一家はもちろん、レレレのおじさんやウナギイヌといったおなじみのキャラクターがスクリーン狭しと暴れ回る。しかも一番の注目は、作品の中でこれまた国民的アニメのキャラが共演するというから驚きだ。それが「フランダースの犬」。

 フジテレビ系の名アニメ枠「世界名作劇場」の記念すべき1作目として1975年に放送されて以来、幾度も再放送されてきた。両親を亡くして祖父と暮らす10歳の少年ネロと、大型犬パトラッシュの物語。ベルギー・アントワープの大聖堂に飾られたルーベンスの絵の前で、ネロたちが天使に抱えられて天に召されていく最終話のシーンはあまりにも有名だ。今回の長編映画バカボンでは、“その後”が描かれるという。

「天に召されたと思われていたネロとパトラッシュですが、生前に人間たちから受けたひどい仕打ちを忘れることができず、悪の手先となって現世によみがえるのです」と関係者は明かす。

 ファンとしては「『なんだかとても眠いんだ。パトラッシュ…』と言って、安らかな表情で死んでいったネロとパトラッシュの感動を返せ!」と怒る人が出るのは必至で、賛否両論入り交じった問題作になりそうだ。

 入手した画像を見ると、ネロとパトラッシュが性格だけでなく、顔つきまで極悪となっているのが一目瞭然。パトラッシュのそばには、これまた悪そうなキャラクターが控えている。この“悪の親玉”っぽいキャラがストーリーにどのようにかかわってくるかも興味深い。

 実はこの作品、赤塚氏の生誕80周年記念作「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」。「バカボン」ではなく「バカヴォン」。監督・脚本は、フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」を手がけたことで有名な映像クリエーター・FROGMAN氏。ギャグ映画のようだが、深いところではバカボン一家の姿を通して、思いやりの大切さや、人間の本当の賢さとは何かを描くという。

 2日は赤塚氏の七回忌。新作の出来ばえを天国から見守っているに違いない。「パトラッシュとウナギイヌの“犬対決”が実現する」「ラストでは、まさかの感動の仕掛けが控えている」との情報もある。

 天国の赤塚氏が同作品を見て、きっとこう言うに違いない。

「これでいいのだ!」