元「BOφWY」の“カリスマ・ロックシンガー”氷室京介(53)の引退宣言が、音楽界に大きな波紋を広げている。13日の山口でのコンサートで突然「氷室京介を卒業する」と発表。ここ何年もビッグヒットはないものの、人気は相変わらず。本人は「体力的な衰え」を口にしているが、アスリートでもあるまいし、そんな理由で歌手を引退するなど聞いたことない。「ひょっとしてASKAみたいに薬物絡み!?」なんて無責任な声も出る中、本紙の追跡に意外な裏事情が浮かび上がってきた。

「次の横浜ツーデイズ(19~20日)を最後に、氷室京介を卒業する」と発表した氷室。続けて「自分でイメージしていることができなくなっているというのがあって、この先もみんなと一緒にいたいけど、体力的に無理になったら、俺は若いころからやめようかっていうのを決めてた」と、あたかも予定の行動かのように語りかけ、詰め掛けた大勢のファンをぼうぜんとさせた。

 しかも、この引退宣言は、妻や事務所スタッフにすら寝耳に水だったというから解せない。それだけではない。氷室はライブが終わった後、スタッフらに説明もせず、すぐに楽屋を飛び出して、まるで逃げるように、どこかへ向かおうとしたというから、2度ビックリだ。

「奥さんやスタッフが必死になって追い掛け、やっとつかまえたみたい。その後、氷室さんと緊急会議をしたといいます。当初、彼は歌手活動全般から引退しようとしていたが、周囲の説得で、なんとか楽曲制作は続けることにしたそうです」とはある関係者。

 その後、公式ホームページで電撃表明へのおわびを述べるとともに、横浜公演と来年に企画しているファイナルコンサートをもって活動休止に入ると説明した。本人は体力的な衰えを引退理由に挙げたが、実のところは不明だ。氷室を知るある人物も「確かにストイックで一本筋が通ってる。NHK紅白歌合戦の出演オファーも、彼のコンサートを中継するWOWOWに配慮し毎年断っていた。繊細で、いつもいろいろ考えている人だから…」と言葉を濁す。

 そんな中、関係者が口にするのは、伝説のロックバンド「BOφWY」で二枚看板だった名ギタリスト布袋寅泰(52)の存在だ。どうやら、この布袋に対する“複雑な思い”が、胸の奥底にあるのだろうという。

 布袋はブログで「もし彼(氷室)が本当にステージから姿を消してしまうなら『最後のステージはせめて一曲でも 隣りでギターを弾かせてほしい』そう願うのみ」と書いている。これだけを見ると2人の間の絆は切れていないようだが…。

 事実を見ると、この2人はBOφWY解散後、一度も共演しておらず、確執さえ噂されている。

 当時言われていた「音楽性の違いによる解散」ではなく「身近な女性関係でもめたことが原因」(前出の氷室を知る人物)とも…。

「布袋は一昨年ロンドンへ移住し、今はジャズに傾倒しています。11日には国際的ジャズフェスティバルに招待されるなど、海外でも大成功している。それに比べて氷室の方は、1994年に活動拠点を米ロサンゼルスに移すも、鳴かず飛ばず。成功を収める布袋と自分を比べ、やる気をなくしたのかもしれない」とは2人を知る音楽関係者の言葉だ。

 氷室が言う「体力的な衰え」は、ステージ上だけでなく、楽曲作りにおいても感じているのかもしれない。もちろん、そのために違法薬物に走ったASKA被告(56=飛鳥涼、本名・宮崎重明)とは大違いだが、多くのファンがその歌う姿を楽しみにしていることは間違いない。