映画界で“エロスの新境地”を切り開く監督が注目されている。「女の穴」(公開中)、「ちょっとかわいいアイアンメイデン」(19日公開)でメガホンを取った吉田浩太監督(36)だ。女優を“エロく”撮るのはもちろんのこと、女性にも作品を「かわいい」と支持される“ポップさ”が特徴。そんな吉田監督は本紙インタビューに「24歳まで童貞だった」とぶっちゃけた。「女優はみんな脱げ!」と言う監督の真意に迫る――。

 「女の穴」はフリークの間で話題の漫画家・ふみふみこ氏が原作。同映画では「宇宙人の女と教師の恋」「自分に振り向いてくれないゲイの男教師を支配することで、欲望を発散させる女子高生」などを描いている。「ちょっとかわいい――」の方は木嶋のりこ(26)が主演し、「女子校の拷問部で繰り広げられる禁断の恋」がテーマ。どちらもむちゃくちゃな内容だが、それがうまく「青春恋愛映画」に仕上がっている。とにかくエロくて、なぜか心がキュンとするのだ。

 男の「勃起」を誘いつつ、女の「恋心」も的確に刺激する、テクニシャンな吉田監督だが「僕は24歳まで童貞だった。17歳の高校生時代、彼女ができたんですけど、勃起しなくてできなかった」と性についてはおくてだった。だから「ちょっとゆがんだというか、ストレートな“セックス道”を歩んでこなかった。セクシュアルマイノリティーの人たちの気持ちが分かる部分があるんですよ。そういう経験に加えて、単なるエロい映画を撮りたくなくて、誰もやったことがない映画を撮りたかったんです」。いまの作風は17歳の時にイチモツが勃たなかったことにあるというから、人生とは不思議なもの。

 ついでに24歳の時に“できた”理由も明かした。

「サード(3番手の助監督)時代ですね。彼女はフォース(4番手助監督)で当時、超つらい現場があった。それで星空の下でお互いに慰めあってたら、できちゃったというか…(苦笑)。それがいまのかみさん。子供もいます」

 また、吉田監督は「女のハダカ」にも強いこだわりをみせている。

「女優もヌードになるぐらいの覚悟を見せてほしい。僕は覚悟のないやつは徹底的にイジめるタイプなんです(笑い)。女優は脱ぐことで神格化というかヒロインになれる。ある意味うらやましい存在ですよ。だから、どんどん脱ぐべきなんです」

 今後は「もしチャンスがあれば、ドラッグとか乱交におぼれる、欲望だらけの人間の映画を撮ってみたい」とのこと。低迷する日本映画に風穴を開けられるか。