儲かってないのに「よしもと劇場」を増設する思惑

2014年07月10日 06時00分

「沼津ラクーンよしもと劇場」のオープニング会見に出席した中川家やハリセンボンら

“笑いの総合商社”と言われる芸能プロ・吉本興業が7日、埼玉県さいたま市の「大宮ラクーンよしもと劇場」、静岡県沼津市の「沼津ラクーンよしもと劇場」と2つの常設劇場をオープンさせ、記者発表会を行った。

 会見には吉本所属の芸人が数多く出席。中でも「ハリセンボン」の2人は大宮、沼津と両方にただ1組だけ参加。大宮から新幹線を乗り継ぎギリギリに到着するハードスケジュールに、中川家の礼二から「ちょっとくらい断りや」とツッコミが入った。

 これで吉本が運営する常設劇場は全国で11か所になるが、お笑い関係者は「劇場はなかなかカネにならない。吉本でも大阪の『なんばグランド花月』だけは連日超満員だが、それ以外はそんなに儲かっていない」と指摘。増やしすぎれば維持費などで経営に影響が出るのでは、と心配する声も上がっている。

 だが、劇場を減らしていく考えは全くなく、むしろ増やしていく方針で、吉本関係者は「将来的には47都道府県に1つは常設劇場を造るのが目標」と断言。来年3月には沖縄に劇場をオープンさせるプランも進行しているほか、海外も視野に入れている。「まずはアジア。台湾や上海、それにタイも日本人が多いしバンコクなんかも面白い」(同)

 劇場を増やす最大の理由は、芸人を育てるため。「育てるには場数を踏むのが一番。それなのに劇場を減らしたら誰も育たない。育つ環境をつくってあげないと。最近は芸人が増えすぎて劇場に出られないケースもあるので、できるだけ機会をつくってあげたい」(同)

 実際に劇場で力をつけて売れっ子になるケースも多い。「COWCOWなどはなかなか売れなかったが、劇場で地道に力をつけて最近ようやく花開いた。将来的にテレビなどで稼ぐ芸人にするためにも劇場は不可欠」(同)。この戦略が成功するか。