写真集の発売記念握手会(6月29日)で、会場となった都内書店のスタッフを「こういうイベントで、これほど温かい雰囲気になるのは珍しい」と感心させたのは剛力彩芽(21)だ。

 集中豪雨による渋滞で、本人は約30分遅れで会場入りし、イベント開始も予定より1時間近くずれ込んだ。AKB48襲撃事件の余波で、警備員は10人以上配備され、手荷物は一時預かり、もちろん撮影禁止。にもかかわらず、ファンはマナーよく列を作り、進行はスムーズだった。

 すぐ定員に達した握手会整理券(限定800枚)をゲットして並んだ大半は、見た目30代半ばから50代の中年男性たち。

「彼女のイベントに来たのは3度目だけど、僕みたいなオジサンにもちゃんと丁寧に応対してくれるんです。とても優しい態度で癒やされますよ」とは、51歳の会社役員だ。

 20人ほどに聞くと、8割以上が既婚者。昨秋の出演ドラマ「クロコーチ」(TBS系)を見て以来のファン(41=自営業)は「以前の作品より演技がグッと良くなっていた。もう、娘の成長を見守る感覚」だという。中には舞台俳優もいて「昔、舞台に出てもらおうと交渉したら本人から『スケジュールが合わなくてごめんなさい』と直筆の手紙をもらい感激した」そうだ。

 その魅力を、44歳の会社員は「昭和のにおいがして、オヤジ心をくすぐるキャラクター」だと力説。あるアイドル評論家(48)は「いつも前向きで一生懸命な感じが、確かに80年代アイドルっぽい。昨年はメディア露出が多くネットで叩かれたが、そうやって大衆をイラッとさせてしまうのも、かつての松田聖子しかり、裕木奈江しかりで人気者の宿命」と指摘する。

 最近は持ち歌の斬新ダンスが同世代にウケ、AKBメンバーにまねされたりも。加えてこの中年人気があれば“強力”かもしれない。