覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された歌手のASKA容疑者(56)の主治医として知られる平石貴久医師が経営する医療法人「社団貴生会」が、東京地裁から6日付で破産手続きの開始決定を受けていたことが分かった。

 負債は社団貴生会が約3億6429万円で、関連会社3社を含めると総額10億1773万円。平石医師は「ニンニク注射」で一躍有名になり、各界の多くの著名人が慕っていたはずなのだが…。

 もともとスポーツ界や芸能界で有名だった平石医師の名前が世間に一気に広まったのは、ASKA事件がきっかけだろう。主治医として、ASKAにアンナカ(安息香酸ナトリウムカフェイン)を処方していたとしてメディアに取り上げられたからだ。

 ASKAだけではなく、元プロ野球選手の清原和博氏や、元横綱の朝青龍、また多くの有名アーティストが平石医師の元を訪れ、ニンニク注射を打ってもらったという。

 平石医師を利用していたAさんは「六本木のミッドタウンに移る前は、六本木交差点の近くにクリニックがあった。そこはスポーツ選手や芸能人専用の入り口と一般入り口が分かれていたため、VIPが集まりやすかったのです。平石先生は優しい人で、頼んだら時間外でも出先に出張してくれ、ニンニク注射を打ってくれた」と語る。

 1本数千円するというニンニク注射とはいったいどのような効果があるのか?

「打つと疲れが取れ、元気になる。後はすごく集中力が高まる。あまりにも効果があるから一回、冗談で平石先生に『なんか変なもの入ってない?』と聞いたら『ない』って言っていました」とAさん。

 Aさんいわく、平石医師は金に困っている様子など一切患者には見せなかった。東京商工リサーチによると、平石医師は「知人の連帯保証人となったことが原因で多額の負債を抱えることになり、クリニックの経営を続けることが困難となった」と話しているとのことだ。