AKB48の37枚目のシングル(8月27日発売)を歌う選抜メンバーを決める「第6回AKB48選抜総選挙」(7日、東京・味の素スタジアム)で、「まゆゆ」こと渡辺麻友(20)が史上最多となる15万9854票を獲得し、悲願の勝利を飾った。王道アイドルとしてAKBを走り続けてきた裏ではグループ内で孤立し、陰口などに耐えた末につかんだ栄冠だった。

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 7万人の大観衆の“まゆゆコール”。昨年まですべての総選挙でベスト5に入りながら、届かなかった栄冠に渡辺は「今までの人生で、こんな素晴らしい景色を見たことはありません」とステージ最上段に据えられた女王のイスに座った。


 昨年はHKT48の指原莉乃(21)、AKB48の大島優子(25)に次ぐ3位。一昨年の2位から順位を落とし、「1位になることを一瞬あきらめかけた自分がいた」と明かしたが、正統派アイドルとしての自負だけは失わなかった。渡辺は「これからは後輩が私の背中を見て、この先輩についていきたいと思ってもらえるようなメンバーになりたい。私がAKBを守ります!」と宣言した。


 グループの“顔”となった渡辺だが、裏ではストイック過ぎる性格ゆえにメンバー内で孤立し、時には陰口を叩かれたこともあったという。


「渡辺は過去に恋愛スキャンダルが報じられたメンバーを許せず、話そうとしなかったり、冷たい態度を取ってしまった。それは親友と呼ばれるメンバーに対しても同じ。こうした意固地とも思える態度にメンバーが息苦しさを感じ“孤立”を招いてしまったことも。女子校のような世界ですから、一部から『優等生ぶってる』『面白くない』などと陰口を叩かれたこともあった」(関係者)


 渡辺本人もそれは重々感じていた。昨年の総選挙で3位になった時、ステージ上で「私はどのメンバーよりも自分自身をAKBにささげてきた自信がある」と語ったが、決して表向きだけの努力で出てきた言葉ではない。ファンの目が届かないところで孤立を感じても理想のアイドル像を守ってきた自負から生まれたという。


 前出の関係者は「実際、グループ内で“恋愛禁止”という鉄の掟があやふやになっていた時期に一番危機感を持っていたのが渡辺なんです。例えば、楽屋などでメンバーによる女子校でもしているような軽い恋愛トークさえも、完全無視を決め込んで、露骨に入ろうとしませんでした。まあ、それが孤立を招いた一因だと思います」と振り返る。


 しかし、渡辺が新女王に輝いたことで、内部ではアイドルグループとしてAKB48の“再生”を期待する声も出ている。


 別の関係者は「渡辺が女王になったことで、ややあいまいになっていた“鉄の掟”が見直されることになるでしょう」と語る。最近はグループ内で世代交代が起こり、10代前半メンバーが増えるなど低年齢化が進んだことも恋愛禁止を再び厳格なルールにできる絶好の機会でもあるようだ。


 くしくも総選挙後、渡辺は「私は正統派アイドルを守ってきたので、よりアイドルらしいグループにしたい。恋愛禁止? それは最低限のルールなので守ります!」と宣言。この言葉を堂々と言えるセンターこそが渡辺なのだ。


 ファンの前で「AKB48グループは私が守ります!」と約束した渡辺。守りたいモノの中に“恋愛禁止”があることだけは間違いなさそうだ。