一昨年3月、覚醒剤使用の疑いで大阪府警に調べられたグラドルT子(18=当時)が3日、大阪地裁の法廷に立った。自身は潔白だったものの、疑惑が生じたことでイメージDVDが発売中止となり、制作会社が所属事務所に対し損害賠償を求め訴えているのだ。その裁判に証人出廷したT子は“同僚グラドルと覚醒剤”の衝撃実態を告白。先ごろ覚醒剤事件で逮捕されたASKA容疑者(56)の名前も飛び交うなど、法廷は異様な雰囲気に包まれた。

「現役女子高生グラドル」を売りにしていたT子だが、当時は激ヤセが噂され、一時は逮捕情報まで流れた。それから2年余り…。ややポッチャリ体形に戻ったT子は茶髪をショートにし、黒カーディガン、ひざ上丈の黒スカート姿で証言台に立った。ムッチリした太もも、服の上からでも大幅にバストアップしたのが分かる。化粧は若干濃くなっていたが、広末涼子似の顔は昔のまま。

 証人尋問では、衝撃事実が次々と明らかになった。まず、T子は当時、高校に通っていなかったばかりか、なんと16歳からキャバクラで働き始めていたと告白。16歳で親元を離れ、一人で暮らしていたため、裁判官が仕事を尋ねると「キャバクラで働いてました」とサラッと打ち明けた。

 覚醒剤疑惑をかけられたのは、旧知の仲で当時グラドルの卵だったN子が覚醒剤に手を出したから。2人は同い年で、出会いは「16歳ぐらいの時に、新宿のコマ劇場の前で」だという。芸能事務所にスカウトされたT子の後を追って、N子も同事務所に自薦し所属した。

 事件が起きたのは、2人で大阪旅行している最中。N子が覚醒剤を使用、人に襲われる妄想を見て怖くなり、自ら警察に通報し逮捕されたのだ。N子から覚醒剤の使用を聞いていたというT子は「冗談だと思っていた。(注射のシーンは)怖くて見ていなかった」と振り返った。

 T子は「怖くなった」と1人東京へ帰り、2日後に実家へ来た大阪府警の捜査員から任意同行を求められた。1度は拒否したが、母親の説得でまた大阪へ。尿検査の結果はシロだった。

 だが、事務所が寮としてT子に貸していたマンションからは、覚醒剤の吸引用と思われるアルミホイルとストローが見つかっている。本人いわく、当時その寮には「地元の先輩とか、その友達が入り浸るので嫌になった。(寮には)2月からは1~2回、下着を取りに行く程度しか行ってない。3月は1回も行ってない」。別の友人宅に泊まっていたという。

 警察で調べられたことについてT子は「行動を改めようと思いました」と反省の弁も口に。まだ事務所に籍を置いているが芸能活動はせず、「この間までは動物病院で看護をやっていました」。

 かたやN子は事件後、事務所を解雇されている。

 覚醒剤事件でASKAが逮捕され、「CHAGEandASKA」のCDなどが回収となったケースと似ているため、法廷ではASKAや酒井法子(43)の名前が飛び交った。

 原告側の証人は、ASKAらのようにDVD出演者が事件を起こした場合の措置を弁護人から聞かれ、「(DVDの)発売を中止して市場から回収する」と説明。またASKAらのCD回収のさじ加減について裁判官に聞かれると「レコード会社のコンプライアンスの問題になっている。薬物疑惑のタレントで信頼と権威が失墜するのを問題視したんだと思う」と語った。