ポール公演中止で損失10億円?

2014年05月20日 09時00分

ライブが中止となり、ポールの巨大ポスターを撮影するファン

 来日中の元ビートルズのポール・マッカートニー(71)が18日、体調不良のため前日17日に続き、東京・国立競技場公演を中止した。シャレにならないのは、興行主だ。会場使用料や設営費、チケットの払い戻しなどで10億円以上の損失が出る可能性も…。“ポールショック”で会社の経営が傾くところも出てくるかもしれない。本人は振り替え公演を希望しているというが、果たして――。

「ASKAに続いてポールまで…。もう意気消沈ですよ。月曜から出社するのが憂鬱です」

 そう力なくこぼすのは、ポールのCDをリリースするユニバーサルミュージックの関係者だ。

 同社には覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕された「CHAGE and ASKA」のASKA容疑者(56)も所属。事件の影響でASKAのソロ作品はもとより、同ユニットのこれまでのCDまで店頭から回収されることも想定される。

 そこに“ポールショック”が直撃!

 17、18日に東京・国立競技場で予定していたコンサートを体調不良でドタキャンしたのだ。原因については「公演前夜、都内のある場所で深酒していた」という“二日酔い説”もあるが、診断の結果はウイルス性炎症。17日の公演分は19日に延期となったが、ポールの体調が戻らず、結局19日分も中止が発表された。

 国立競技場は今月末で改修工事の準備に入る。本来ならポールが“国立最後のアーティスト”になる予定だったが、それも幻に…。本人も悔しがっているだろうが、それ以上にシャレにならないのは、興行主だ。

 チケットは2公演分の11万枚すべてが完売。価格は、S席1万7500円、A席1万5000円、B席1万3500円。これにVIP席などが加わる。チケットの平均額を1万5300円として大まかに計算しても合計は約17億円にのぼる。

 これに数千万円と言われる会場使用料や設営費、警備費などが加わる。現場スタッフいわく「ステージの設営・撤収作業だけでも6日間かかる。警備員は数百人規模。人件費だけでもバカになりません。照明のレンタル代や機材運搬費などを含めると、この日のコンサートのためにすでに5億円以上は使っている」。

 誤算もあった。主催者側は中止などの不測の事態に備え、保険をかけているものだが「初日(17日)の公演は中止ではなく延期と発表したため、保険が適用されない可能性が高い。つまり初日公演の損失は丸々、興行主がかぶることになる」。

 そして何よりも恐れるのはチケットの払い戻しだ。ポールは中止になった2公演について、振り替え開催を強く希望していると言うが…。

「万が一、実施されなかったら大変なことになる。17億円分のチケットを払い戻さなければならず、保険が適用されたとしても、主催企業は10億円以上の赤字を抱えることになる。社会的信用の低下も招くなど、ダメージは計り知れない」(音楽関係者)

 主催は、21日の日本武道館を含む東京公演がイベント興行会社のキョードー東京のほか、テレビとラジオの数社など計13社。大阪公演(24日、ヤンマースタジアム長居)がキョードー東京など計8社。前出のユニーバーサルミュージックはいずれも後援に名を連ねる。不測の事態とはいえ、こうした企業にしてみれば、たまったものではない。下手すれば経営危機につながりかねない大打撃だ。

「前回来日時のフィーバーぶりばかりをイメージして、最悪のケースを想定していなかった。いま現在『大変なことになった…』と、顔面蒼白になっている人がどれだけいることか」(前出の現場スタッフ)

 武道館と長居でのコンサートは「予定通り開催する」と宣言しているポール。急病だけに仕方がない部分もあるが、“大惨事”を招かないためにも、もう中止は許されない――。

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