日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長(44)が13日、大阪市内で、昨年のこの日にした従軍慰安婦についての発言で失ったものや市政運営への影響は「何もない」と言い切った。

 世界中で大騒動となった「当時、慰安婦制度は必要だった」という発言から1年が経過。これが維新失速の最大の要因とも言われるが、橋下氏に後悔はないようだ。

 朝日新聞の記者から「昨年、市長が慰安婦発言をしてから1年」と問われると、待ってましたとばかりに「朝日新聞の大誤報をやった日ですよね。報道機関の大ねつ造から1年ですね」と返す刀で反論してみせた。

 橋下氏は騒動の直後からツイッターなどで「朝日新聞は見出しで、僕が『現在も』慰安婦が必要だと言っているような書き方をしている。これは汚い。僕は『当時』は世界各国必要としていたのだろうと言ったのだ」と主張しており、まだ怒りは収まっていないようだ。

 女性に対する見方も問われたのではという質問には「偏向的な見方をしているのは朝日新聞ぐらいじゃないですか。僕は何も変わっていない。普通に女性のみなさんと、僕の知ってる範囲で付き合っても何の問題もない」と言い切った。

 また「産経新聞が頑張ってくれて、慰安婦問題の本質とか河野談話がどういうものだったのかっていうことが、やっと国民のみなさんに伝わってきているんじゃないんですか」と橋下氏は振り返ると、一気にこうまくし立てた。

「中国、韓国含めて歴史問題っていうのは、ある意味、外交戦争に使われるところもある。日本としては認めるところは認めるけれども、やっぱり言わなければいけないところは言っていく。どの国だって事実と違うことを言われたり、不当な侮辱を受けた場合にはしっかりと異議を申し立てる抗議をするっていうのは当たり前の話ですよ。ちゃんと自分の意見を言っていきましょうってことはグローバル人材を教育、育成するための一番中心なところ。相手方が分かってくれるだろうという思いであいまいにしておくっていうのは、国際社会では通用しません」

 さらに「メディアが大ねつ造をやってから、この1年間で慰安婦問題や河野談話っていうものについて少しでも国民のみなさんに認識を持ってもらったっていうことであれば、僕は政治家としては自分なりによかった」とも語った。

 昨年は、この騒動の影響もあり強烈な逆風に見舞われた。来春には統一地方選を控え、大阪都構想も大詰めの状況とあって、橋下氏にとっては今年が勝負の年になりそうだ。