橋下徹市長「美味しんぼ」を「フィクション」強調

2014年05月12日 15時36分

橋下徹大阪市長

 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長(44)が12日、市役所で取材に応じ、小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」掲載の漫画「美味(おい)しんぼ」について「フィクション」とバッサリ切り捨てた。

 震災がれきを受け入れた大阪市内の焼却場近くの住民について、鼻血を出したり、目やのどに不快な症状を訴えたりしていると表現されたのは事実無根として、大阪市と大阪府は同日、小学館に抗議文を出した。

 12日発売号では、前号に続き、主人公の新聞記者たちが井戸川克隆前福島県双葉町長や「岐阜環境医学研究所」の所長を取材。同所長が、大阪の震災がれき焼却場近くの住民1000人を対象にした調査で「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあった」と指摘している。橋下氏は「医師会や区役所に、そういう訴えの患者はいないと確認している」と説明した。

 橋下氏は「表現の自由ですからね」としつつも「フィクションなのか事実なのか、よくわからないような表現の中で根拠に基づかずに、マンガの世界だといっても、あそこまでやるのは、いきすぎかなと思いますね」と指摘。

 橋下氏は法的措置などは考えていないとし、「フィクションで架空の話という世界の中での表現の範囲ですから。そこは十分、こちらも理解した上で作者に対して主張や抗議をしないといけない」と、今回の表現もマンガの中での出来事という認識を示した。

 ただ、一方で「僕の知らないこと(がれき焼却での健康被害)で取材に基づいた事実とか根拠を教えてもらえれば、すぐに対応します。本当にそういうことがあれば大問題ですからね」と、フェアに対処するつもり。

「『美味しんぼ』はたくさんの読者に愛された人気マンガですしね。僕も楽しく読まさせてもらった。今の福島の厳しい状況とかも考えて、もうちょっとみんなが安心できるような、楽しくなるような、元気が出るような話に持っていってもらったら。ポジティブな面で作者の方には力を発揮してもらいたい」と今後の展開に期待する。

 原作者の雁屋哲氏は自身のブログで今後の展開について「鼻血ごときで騒いでいる人たちは、発狂するかも知れない」と書いており、橋下氏の希望はかないそうになさそうだ。