今春からテレビ東京の看板番組「ワールドビジネスサテライト」(WBS)のメーン司会者となった同局の大江麻理子キャスター(35)の評判が上々だ。

 4月から始まったテレビ番組の新しい顔ぶれは、開始から1か月が経過し、東スポでも各番組の泣き笑いを報じてきた。だが、WBSについては、それまでのメーン司会を務めていた小谷真生子(49)時代の末期の視聴率が低すぎたために、“大江効果”はさほど目立たない結果となっている。

「視聴率は、小谷の末期で2%後半~3%前半、大江になって4%半ば~4%後半に上がり、最も良い時には6%超ということもあった。確実に大江効果はあったのです」(テレ東関係者)

 ライバルとなる他局を見てみると、相変わらずのトップの「報道ステーション」(テレビ朝日系)を筆頭に、視聴率はおおよそ「NEWS ZERO」(日本テレビ系)、「NEWS23」(TBS系)、「NEWS JAPAN」(フジテレビ系)の序列。

「報ステの古舘伊知郎は別として、今後は女性キャスターとの戦いが本格化する。ZEROの山岸舞彩、23の膳場貴子、JAPANの大島由香里に勝てるかどうかです。視聴率的にはJAPAN、23は十分、射程圏に入ったといっていいでしょう」(別のテレ東関係者)

 夜のニュースの主力視聴者であるおじさん世代の単純な人気ではどうか。「山岸は若すぎで、大島は巨乳とスタイルがあるのに知的さに欠ける。その世代の好みでいえば膳場が一番でしょう。ただ、大江の上り調子がこのまま続いて、大島を抜き、膳場を抜く可能性は十分ある」(他局の関係者)

 下地も十分固まっている。昨年末に発表された「好きな女性アナウンサーランキング」(オリコンスタイル調べ)で大江は、水卜麻美(日本テレビ)、加藤綾子(フジテレビ)に次ぐ3位。前年は2位だったが、水卜の躍進と、大江自身が今年3月までの1年間、ニューヨーク支局に転勤していたことなどが理由とされていた。

 週刊文春の最新の「好きな女子アナ」アンケートでも大江は水卜に次ぐ2位。同誌読者はおじさんが中心とみられるが、この世代がWBSの視聴者とかぶっている。

 広告代理店関係者は「視聴者の主力層である45~65歳の男性は、会社でそれなりの地位にいるサラリーマンや、経営者。『こんな女性が秘書だったら…』という淡い願望を込めた目線で女性キャスターを見ている。WBSの小谷が長らく“財界のマドンナ”として人気だったのでもわかる通りです」と語る。

 50代の男性数人に大江の印象について聞いてみると「上品さがあるのに、話しぶりは上から目線ではなく、庶民的な感じがする」「お嬢様っぽさから、最近は上品な若奥様のような雰囲気になってきた」「落ち着いた身のこなしと口調、長い黒髪、細身のスタイルがたまんないね」「地位とカネがあったら秘書にしたい」などの声が聞こえてきた。

 さらに大江が伸びる要素として、バラエティー番組「モヤモヤさまぁ~ず」などの過去の出演で、これからおじさん世代になる30~40代からの支持がある。これらが下支えしているのだから、フジテレビ、TBSにとって、大江は大きな脅威になりつつある。

(文中敬称略、視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)