鬼才・井口昇監督を作った下積み時代の“サリン騒動”

2014年05月11日 11時00分

鬼才と呼ばれる井口監督

 いまやハリウッドからも注目を集める日本の誇る鬼才、井口昇監督(44)が「僕とオウム(真理教)とAVは切っても切れない関係にあるんです!」と本紙に衝撃告白した。最新作「ライヴ」(山田悠介原作、角川映画)が公開中の井口監督は、下積み時代をAV現場ですごした苦労人。そんな男と史上最悪のカルト教団、オウム真理教との接点とは…。

 1980年代末から90年代にかけて、AV撮影にかかわった井口監督は「僕はAD(アシスタントディレクター)だったので、おいしい思いは全然できなかった」と振り返る。その時代はちょうど、オウム真理教が数々の事件を起こしていたころだ。オウムが最悪の毒ガス・サリンの散布事件を起こした直後、井口監督も“警察沙汰”の騒動を引き起こしたという。

 当時の井口監督は修行僧のような頭。奇想天外なアイデアを生み出すことにかけては天才的で、AV撮影の舞台に選んだのが「下水道」だった。

「水着のギャルを5人ぐらい連れて、男優とスタッフ合わせて20人ぐらいでマンホールのふたを開けて、もぐりこんだんです。楽しげな雰囲気を演出しようと、スイカ割りのスイカを持ち込んでね」

 いくら「マンホール」といえど、その下でAV撮影するなんて、とても想像がつくはずもない。

 丸刈りの井口監督がマンホールにもぐり込むのを見かけた近所の住人に「オウムの人間が、下水道にサリンをまこうとしている」と110番通報されてしまったのだ。

「ちょうど、スイカ割りをしようとした時ですかね。マンホールのふたが『ゴトッ』と開いて、一筋の光が差し込んできたんです。そしたら男の野太い声で『出てきなさーい!!』と…」

 慌てたのはスタッフとて同じ。「ヤバイ!」と奥へ逃げ込んでいった。しかし、「マンホールのふたが次々開けられて、どんどんと光の量が増えて、行き場を失ってしまったんです」と井口監督。最後にはパトカー6台が取り囲む騒ぎに。地上へ上がり「何しようとしてたんだ!」と詰問された。

「そしたら、ちょうど、警官の目に留まったのがスイカ。僕は『スイカ割りです』というしかなかったですよ」と苦笑い。そんな男だからこそ、面白い映画が作れる。

「最新作は原作ものですが、単なる『原作丸写し』の映画でなく、原作と映画がお互いを引き立たせる内容になっている。映画を見たら、原作読みたくなるし、原作を読んで映画を見れば、さらに楽しめるものになってます」(映画配給関係者)

 原作の小説「ライヴ」では誘拐犯の仕掛けた死のトライアスロンレースを中心に物語が展開。映画では、同小説がそのままキーアイテムとして登場し「その本をヒントに犯人が仕掛けたデスレースをクリアする」というパラレル的なストーリーを内包する青春物語となっている。

 井口監督は風雲児として日本映画界をかき回してくれそうだ。