31日に始まるフジテレビ系昼ドラ「聖母・聖美物語」(東海テレビ制作)の準主役は直前まで“昼ドラの顔”だった――。先日行われた同ドラマの制作発表では、かつて「真中瞳」の芸名で活動していた東風(こち)万智子(34)の主演が発表され、話題になった。だが、その相手役ともいうべき重要な役に「役立たずの豚!」などの過激セリフで知られる女優小沢真珠(37)がいったんは起用され、結局降板していたことがわかった。

「聖母――」のあらすじはこうだ。病院院長夫人の聖美(東風)が不妊治療の末に授かった子供に病気が見つかる。そこで、疎遠になっていた実妹を見つけ出し、ドナー(臓器提供者)となる子の出産を強要する…。実母の自殺、嫁姑の確執、病気、不妊、代理母。東海テレビの昼ドラらしく、ドロドロ路線を突き進む。

 17日に行われた制作発表では、10年ぶりの連ドラ主演となる東風の抜てきが話題になった。「大変! セリフの量がすごくて」と意欲たっぷりに臨んでいることを語った。

 だが、その舞台裏で実は、視聴率アップを見越していったん起用された女優が、直前になって降板してしまったという。

 番組関係者は「初期の台本で、聖美の妹役には小沢真珠さんの名前が書かれていました」とこっそり打ち明ける。

 小沢といえば、現在の同局昼ドラの“ドロドロ路線”を決定付けた2004年の「牡丹と薔薇」に大河内奈々子(36)とダブル主演。姉役の大河内とのバトルの話題は社会現象にまでなり、妹役の小沢が発した「役立たずの豚!」「パパ嫌、パパイヤよ」などの名言と、めまぐるしいストーリー展開で人気を呼んだ。

 そんな「姉妹もの」で小沢が10年ぶりに妹役を演じるとなれば、昼ドラファンが狂喜することは明白だった。ところが、小沢は今年1月31日に、8歳年下の歯科医師との結婚・妊娠を発表してしまった。

「撮影は2月から始まってるので、撮影途中に降板という事態は避けられました。だから割とすんなり降板が認められたのでしょうけど、制作の上層部は計算が外れてガッカリしたでしょうね。現場でも、あの小沢さんがキャストに入っていればもっと盛り上がったでしょうね」(同関係者)

 昼ドラの撮影は、ときに深夜まで続くハードなもの。37歳の小沢は第1子の出産とあって、大事をとって降板を選択したのだろう。ただ、一度は妊娠する役柄を与えられ、実生活で本当に妊娠してしまったとなると、小沢と昼ドラの因縁が感じられる。

 小沢に代わって妹役を演じるのは、数々のカルト・ホラー作品への出演経験がある実力派女優の三輪ひとみ(35)。前出関係者は「三輪さんは一生懸命やってますよ。東風さんも冗談を言ったりして、現場の雰囲気はいいですよ」と話す。

 同枠の昼ドラでは三倉茉奈(28)主演の「赤い糸の女」(12年)が過激で話題になったほか、田中美奈子(46)主演の次作「幸せの時間」が過激な性描写で高視聴率を連発したが、視聴者から苦情も集まり放送倫理・番組向上機構(BPO)で審議され、青少年委員長が東海テレビに対し「公共性」の自覚を求める事態となった。
“昼ドラの顔”とも言うべき小沢が出ないのは残念だが、「聖母――」も視聴者の記憶にドロドロ感をしっかり残せるのか、楽しみだ。