不謹慎だけど面白い!?“偽ベートーベン”こと佐村河内守氏(50)が、スマートフォン向けアプリの世界でも物議を醸していた。「聞こえない」とうそをついていた同氏をちゃかしたケータイアプリ「やっぱり耳が聞こえてる?」という名のゲームが登場。マニアの間で話題となっているが、その製作過程では、アプリを提供するグーグルからリジェクト(拒絶)を何度も食らったという。試行錯誤を繰り返した“佐村河内アプリ”。ここまでやっていいのかと思えるその中身とは――。

 作曲のゴーストライターを雇って、全聾(ろう)であるかのように偽っていた佐村河内氏には、いまだに厳しい批判がやまない。
 今月7日に行った会見では、謝罪そっちのけで、すべてをバラしたゴーストライターの新垣隆氏(43)を糾弾。「名誉毀損で訴えます!」と宣戦布告した。
「あの発言には芸能界全体がアキれましたね。名誉を回復するために訴訟をやるのは結構だが、結果的にさらなるイメージダウンを招くことは確実でしょうね」とは芸能プロ幹部。世間の反応も同様で「うそつきに名誉なんてあるのか?」や「きちんと謝罪するべきだ」との声であふれている。
 そんな罵詈雑言も飛び交う最中、13日に人知れず佐村河内氏がスマートフォン向けのアプリになっていた。その名も「やっぱり耳が聞こえてる?」。同氏の名前は明記されていないが、画面を見れば誰を指しているかは一目瞭然だ。

「製作したのは某アプリ製作会社に勤める『ミシャグジ』というグループです。その時の旬な話題をゲーム化することに命を懸けているとか。たまに悪ノリが過ぎることもあるようですが…」(製作者を知る人物)

 実際の遊び方は――。佐村河内氏風のキャラクターを動かし、頭上から落ちてくる音符をキャッチ。たまに落ちてくるメガホンをうっかり拾ってしまうと、周囲に耳が聞こえていることがバレ、アウトとなってしまう。

 同アプリは現在「アイチューンズ」と「グーグルプレイ」でダウンロードすることができる。
 とはいえ、このゲームが日の目を見るまでには、紆余曲折もあったという。騒動勃発直後の先月下旬、今回のアプリの前身となる「耳が聞こえてる」を製作したものの、グーグルプレイからリジェクトされたという。

 別の関係者は「表向きはアプリ内のエロ広告が問題となったそうですが、本当のところは…。ユーザーからも『不謹慎だ!』という意見が寄せられたのかもしれません」と指摘する。

 幻となった1作目は佐村河内氏似のキャラを操り、外の音はスルーし、同席者の動きにタイミング良く反応しなければいけないというもの。いまでこそ同氏の全ろう偽装が判明しているが、当時はあくまで疑惑の段階だった。このアプリがいかに際どいものかがわかるだろう。

「アップして数日もたたないうちに、削除されました。めげずに再び上げましたが、すぐに『同じものじゃないか』と指摘が入り、またも削除されました」(同)

 アプリには通報機能が付いており、ユーザーが「ふさわしくない」と思えば、グーグルプレイに訴えることができる。

 前出の製作者を知る人物は「佐村河内氏本人が削除依頼をしたのでは?という声も現場で上がった」と証言する。

 良くも悪くも問題作だが、話題にはなりそうだ。