“偽ベートーベン”こと佐村河内守氏(50)をめぐり、新たな騒動が勃発しそうだ。「佐村河内守」名義で出したCDなどの作品群について、同氏サイドが近日中に日本音楽著作権協会(JASRAC)と楽曲の著作権がどこの誰にあるのか、話し合いを行うことがわかった。

 現在JASRACに登録されている同氏名義の作品は103曲。厄介なのは、制作過程をめぐり同氏とゴーストライターを務めた新垣隆氏(43)の見解が食い違っていることだ。

 同氏の書いたイメージ図を基に作曲したとする新垣氏に対し、佐村河内氏は「自分のイメージ図があればこそ」というスタンス。ピアノも弾けなければ譜面も読めないと暴露されたことについても、佐村河内氏は「自分で作った曲もある」と主張している。

 JASRACはどちらに著作権があるかを決める審査機関は備えておらず、すべては双方の話し合い次第。そもそも著作権には印税に絡む財産権と、旋律など本人の意向にかかわらず放棄できないとされる著作者人格権というものがある。

「先の会見で新垣さんは財産権の放棄を宣言したが、すんなり佐村河内氏に譲るとは考えづらい。新垣さんは世間を欺き続けた罪悪感から、曲そのものを“封印”することを望んでいるのではないか」とは事情を知る関係者。

 これにはJASRAC担当者も「何をもって曲を“作った”ということになるのか。佐村河内氏のイメージ図? 新垣氏の作曲? 結論までには時間がかかりそうです」と苦慮している。

 この問題がさらなる疑惑を掘り起こす可能性もある。音楽関係者は「新垣氏は『彼のすべての楽曲を作ったわけではない』『作ったのは70曲ほど』と証言しているという。それが事実なら、残りの30曲余りは誰が作ったのか。佐村河内氏本人? 業界では新垣さんのほかに第2、第3のゴーストライターがいたのではとささやかれています」と話す。紛糾は必至だ。