【ビートたけしのエンターテインメント賞】特別芸能賞に輝いた日本の伝統的な奇術「手妻(てづま)」の担い手・藤山新太郎(59)は、たけしとは40年来の仲だという。


 駆け出しのころのたけしと浅草演芸ホールで同じ舞台に立っていただけに、会えば昔話に花が咲いた。壇上で賞状とトロフィーを渡したたけしは「昔、キャバレーでやるネタがなくて、5万円のマジックセットを(藤山に)立て替えてもらったよ。これ(受賞の賞金)で許して」と明かしたら、藤山に「これで済んだと思うなよ」と返され、会場の笑いを誘った。


 もちろん、本気で返済を迫っているわけではなく、2人が会えば必ず行われる“ルーティン”なやりとりだとか。藤山は「トロフィー、賞状をもらって、もちろんありがたい。それに40年前からのお付き合いを覚えていてくれたたけしさんの心がうれしくて…。受賞の連絡が来て涙が出てしまいましたし、心が温かくなったのが最高の幸せでした」と喜びを語った。


 表彰の後は、紙で作った蝶を扇子の風で落ちないように扇ぐ曲芸的な芸「蝶のたはむれ」を披露して、拍手喝采を浴びた。