日テレ大誤算!! 22日に放送された芦田愛菜(9)主演の日本テレビ系連続ドラマ「明日、ママがいない」第2話の平均視聴率が初回放送の14・0%を下回る13・5%にとどまった(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。一連の放送中止騒動が“追い風”となり、視聴率アップ間違いなしとみられていただけに、この結果は衝撃だ。スポンサー離れも判明するなど、まさに弱り目にたたり目。当初のシナリオも完全に狂ってしまった。

「誰もが視聴率アップを見込んでいただけに、発表された数字には衝撃が走りました。各方面から厳しい意見を頂いているだけに『これじゃ行くも地獄、戻るも地獄じゃないか』という声も聞かれます」

 そう証言するのは、日テレ関係者。児童養護施設を舞台にした同ドラマをめぐっては「赤ちゃんポスト」を設置する熊本市の慈恵病院や、全国約600の施設で作る全国児童養護施設協議会と全国里親会が、放送中止や改善を求め抗議中だ。

 22日放送の第2話では、一部の番組スポンサーが撤退。日テレは厳しい状況に追い込まれたが、それでも唯一の“希望の光”は視聴率だった。

「マスコミの過熱報道もあり、ドラマは一躍話題作に。『ちょっと見てみようかな』と考える視聴者は多いはずで、大幅アップは間違いないと、高をくくっていた」(同)

 だが、日テレお膝元の関東地区は初回放送を0・5ポイント下回る13・5%。同病院のある九州地方は北部では関心が高く10・1%から14・2%に上昇したが、これは“地の利”もあるだろう。

 関東ではなぜ下がったのか? テレビ関係者は3つの理由を挙げる。

「1つはどのドラマにも言えることだが、初回を見て『つまらない』『見ていられない』と判断されたこと。2つ目はネット上で一連の騒動が、日テレが確信犯的に仕掛けた“炎上商法”と捉えられている点。昨今の視聴者はバカじゃありませんよ。最後は単純。放送中止が噂され、エンディングまでたどり着けるかわからないドラマを誰が見るんですか」

 つまり、話題性で「見始めた人」よりも、1話を見て「視聴をやめた人」が多かったのだ。

 衝撃の視聴率ダウンで、当初のシナリオは完全に狂ってしまった。脚本監修に「家なき子」や「人間・失格」などの過激作で知られる野島伸司氏(50)を起用した時点で、ある程度のハレーションは織り込み済み。そのハレーションに視聴者が興味を示し、視聴率アップにつながる。さらに放送倫理・番組向上機構(BPO)に対しても「何とか乗り切れると考えていたフシがある」(同局関係者)。

 実際、22日に慈恵病院がBPOの放送人権委員会に審議の申し立てを行ったが、BPOの担当者は「被害者が不特定多数で漠然としている。これまでのケースを見ると、すべてが被害者本人の訴え。審議入りの要件を満たしているかどうかは微妙」としている。

 日テレとしては、開始当初は物議を醸し非難の声も出るが、ドラマが進むにつれてハートフルなストーリーとなり視聴者が増え、最終回には「考えさせられる、いいドラマだったね」と好評を博し、高視聴率も獲得――こんなシナリオを描いていたはず。だが、数字が下がる想定外の事態となった。これでは、さらなるスポンサー離れも起きかねない。

 第2話を見た前出・里親会の星野崇会長(68)は本紙の取材に「子供が里親になつかず、母親がヒステリーを起こすシーンは放送しないでほしかった。同様の壮絶な経験をしている里親は多く、ドラマを見たことでフラッシュバックする可能性がある」と危惧する一方で、「相変わらず子供たちを傷つけるセリフはあったが、心温まるシーンもあった」と一定の理解も示していたが…。

 スポンサーには降りられ、視聴率も下降――もはや日テレに選択肢はなさそうだ。