テレビ番組で共演した一般女性(33)に平手打ちをしたとして警察に被害届を提出されたデヴィ夫人(73)に応援団が現れた。デヴィ夫人は23日に告示された東京都知事選に出馬した田母神俊雄元航空幕僚長(65)の応援に奔走。発言が注目された。

 渋谷、新橋、上野、秋葉原と全行程にデヴィ夫人は同行。田母神氏とともに山手線で移動するパフォーマンスまで見せた。街頭演説では「女性を平手打ちしたデヴィです!」と騒動を“つかみ”にする余裕すら見せた。

 田母神氏への入れ込み度もハンパなく「我欲がないのは田母神さんだけ。ラストサムライなんです。ほかの候補は名誉欲でやっているんです」とベタ褒め。田母神コールの音頭を取った。

 デヴィ夫人の知名度はすさまじく「やばい! デヴィだ」と感動する女子高生も。応援弁士として活躍したが、気になるのはビンタ事件だ。普通に考えれば、応援される田母神氏サイドからすれば迷惑かもしれない。

 田母神選対幹部は「いや、あれはテレビのヤラセだから。無理やりデヴィ夫人に失礼なことを(被害女性に)言わせたのでしょう。デヴィ夫人は信念を持ってやったはず。むしろ信念を貫いたことに拍手を送りたい」とエールを送る。本紙昨報通り、デヴィ夫人事件が田母神氏へのネガティブキャンペーンとの指摘もあるが、「そうでしょ。デヴィ夫人の応援はありがたいですよ。盛り上げるのがうまい」(選対幹部)と、むしろ迷惑がる様子は全くなかった。

 演説では雄弁だったデヴィ夫人も、事件については沈黙。秋葉原での最後の演説後に直撃したが、選挙戦の手応えについて「政治に興味を持ってなかった方も興味を持っていただけたと思います」とノリノリ。しかし、平手打ちの件には「全然聞いていません」と取り付く島もなかった。応援弁士が候補者側に応援される不思議な選挙戦スタートとなった。