【第56回ブルーリボン賞:助演男優賞=ピエール瀧】「凶悪」は実際に起きた事件が題材だけに出演には葛藤もあった。「僕が演じる人も殺された人も遺族もリアルにいる。出演すれば間接的なつながりでも“ネガティブなおまけ”が付いてくる。正直、迷いました」(ピエール瀧)

 殺人犯の気持ちになれるのか――。白石和彌監督に相談すると「大丈夫」とひと言。「監督は僕のしょうもない性格や悪い部分を見抜いていた」。原作者からは「面会した実物より凶悪」と評された。「そう言われちゃうとやりすぎ感はあるけど、映画の中での役割は果たせたのかな」