ブチ切れるのも無理はなかった? タレントのデヴィ夫人(73)がテレビ番組収録で共演した一般女性(33)に平手打ちを3発見舞い、女性が警視庁に被害届を提出した“暴行事件”で、関係者からキナ臭い噂が飛び交っている。「デヴィ夫人が激怒したのは“ビ●チ呼ばわり”されたため」というのだ。さらに、番組側とこの女性との間では「平手打ちも1発は打ち合わせ通りだった」という情報まで浮上した。

“貴婦人のお怒り事件”が起きたのは9日。東京・世田谷区のスタジオで行われた、TBS系バラエティー番組「奥様はモンスター2」の収録中のことだった。

 テレビ関係者によると、被害を訴えた女性は、実は番組スタッフから事前に「嫌な女性を演じて盛り上げてほしい」と求められていたという。要望通りデヴィ夫人を挑発したところ、度が過ぎたのか、夫人は激怒。女性に平手打ちを3発繰り出した。問題のシーンはカットして15日に放送されたが、まさかの事態に女性は警視庁成城署に被害届を提出。同署が暴行容疑で捜査するスキャンダルに発展した。

 気になるのは、女性は収録で何を言って、デヴィ夫人を挑発したかだ。テレビ関係者は「なんでも『男にだらしない』などと、ビ●チ呼ばわりしたというんです」と明かす。

「普通の女性なら『何言ってんのよ!』と相手を小突いて終わりそうなワードだけど、デヴィ夫人にとっては禁句でしょう。幼少期は貧しく、若かりしころには(東京)赤坂の高級クラブのホステスをやったりしていたと噂された苦労人ですからね。(インドネシア・スカルノ)元大統領夫人のプライドから、許せなかったんだと思いますよ」

 番組にはタレントの西川史子(42)も出演しており、21日に関西のテレビ番組で、「(制作側が)挑発するようなことはなかった」と語った。だが、本紙の取材では、平手打ちは事前の打ち合わせ通りだったという情報が浮上した。「挑発されたデヴィ夫人が1発、ペシッと平手打ちするのは台本通りだったとささやかれています。でも、女性の言葉が過激だったから、1発が3発に増えたというのです」(芸能プロ関係者)

 制作会社関係者は「今の時代は暴力にうるさい。それが本当なら演出としてはやり過ぎ」との見解を示す。これが事実なら、一般女性をけしかけ、デヴィ夫人の暴行を招いた番組側が制作のあり方を問われる可能性があるという。

 ビ●チ呼ばわりと平手打ち1発の台本について、この番組の制作会社は21日、本紙に「担当者不在」で回答はなし。放送したTBS広報部も「収録内容については、もともとお答えしておりません。放送されていないこと(カットされた部分)は申し上げられません」とコメントした。

 一方で「テレビ界の常識を知らない一般女性に挑発の演出を求めるのは無理があるのでは?」と首をかしげるTBS局員もいる。なぜ、こんなことをしてしまったのか。

「『奥様――』が放送されているのは、レギュラー番組の枠ではなく、水曜日の単発特番『水トク!』の枠。番組制作会社が企画を持ち寄り、おもしろいと局が判断した企画が採用され、収録してオンエアされる。放送を勝ち取ろうと、制作サイドが焦って過剰な演出につながった可能性があるのでは」(同局員)

 今後について成城署は本紙に「女性は『失礼なことを言った』と話しているが、発言内容は詳しく捜査する」との方針を示した。デヴィ夫人の事情聴取についても「関係者の方々に話を聴いていくと思う」と当然行う方針だ。