シルベスター・スタローン(67)とアーノルド・シュワルツェネッガー(66)という2大アクションスターが初の本格的共演を果たしたアクション映画「大脱出」(公開中)が公開された。

 非米国系の血筋で、デビュー年が同じで、アクションスターの2人はライバル心が強かった。

 スタローンは1970年にポルノ映画でデビューし、その後は「ロッキー」(76年~)「ランボー」(82年~)シリーズで大スターになった。共演者キラーぶりとロッキーの役柄から“イタリアの種馬”と呼ばれた。俳優だけでなく、監督、脚本、プロデュースもこなし、知的アクションスターとして知られる。

 シュワルツェネッガーは70年に「SF超人ヘラクレス」で映画デビュー。「ターミネーター」(84年~)シリーズで大スターに。こちらも“オーストリアの種馬”と呼ばれた。俳優以外に実業家、さらにはカリフォルニア州知事を務めた。

 スタローンは「互いの競争心が僕たちの最高の能力を引き出してくれたんだ。僕たちはより高いレベルを求め続けただけだ」と語る。シュワルツェネッガーは「スライ(スタローンの愛称)と僕はキャリア初期のころから激しい競争心を燃やしてきた。それは、誰のカットが多かったか、筋肉が割れているか、体脂肪が少ないか、誰の銃が大きいか、そしてスクリーン上の死体はどちらが多かったかということだった」と言う。

 その2人が接近したきっかけはスタローンが「エクスペンダブルズ」(2010年)への出演を依頼したことだ。当時、州知事だったシュワルツェネッガーはクレジットなしのカメオ出演をOKし、4時間だけ撮影に協力した。知事を辞した後の「エクスペンダブルズ2」ではカメオ出演にもかかわらず、4日間も撮影に参加。30年以上にわたる2人の競争心は、直接言葉を交わすことで互いへの尊敬に変わったようだ。

 今夏公開の「エクスペンダブルズ3」への出演にもGOサインが出た。また、シュワルツェネッガーも「ターミネーター」最新作出演のラブコールをスタローンに送っている。