不世出の花形歌舞伎役者・故中村勘三郎さん(享年57)が他界して1年余りの梨園で、不穏な空気が漂っている。勘三郎さんの妻・波野好江さん(54)が、エッセイスト関容子氏(年齢非公表)の著書「勘三郎伝説」(文芸春秋)に激怒しているというのだ。そこには勘三郎さんの生々しい女性関係がつづられており、夫人の怒りが爆発したようだ。
「好江さんが大変怒ってるらしい。関さんの著書に対して『あそこまで書く必要はない!』とカンカンですよ」。そう苦笑するのは出版関係者だ。
勘三郎さんは、言わずと知れた希代の歌舞伎役者。本職の舞台はもちろん、現代的な演出を取り入れたコクーン歌舞伎など歌舞伎の新しい可能性を模索した天才だ。一昨年に食道がんの手術をしたものの、その年末に肺水腫などを患い、57歳の若さで急逝した。
一周忌(昨年12月)を迎えるにあたり、勘三郎さん関連の書籍が多数出版されたが、関氏の著書もその一つ。
「もともとは『オール讀物』などの連載をまとめたものなんですが、連載時から好江さんは不快感丸出しだったようです。問題の箇所は、勘三郎さんの大恋愛相手・故太地喜和子さんのくだり。関さんも当初は書く予定じゃなかったようですが、勘三郎という人間をひもとくには避けられなかったんですよ」(同関係者)
そこには、勘三郎さんが太地さんの演技に心を奪われ、やがて親密になっていく様子が生々しくつづられている。エーゲ海クルーズに行った話や大ゲンカした話、さらには「本当に喜和子ひと筋だった」という勘三郎さん自身のコメントまで…。
歌舞伎エッセイストとして勘三郎さんからも信頼が厚かった関氏ならではの秘話がてんこ盛りなのだ。
「好江さんとしては『芸能マスコミが書く分にはいいが、歌舞伎界に身を置くライターが書くのはいかがなものか』ということらしい。まあ、夫人の立場としては面白くはないでしょう」と同関係者。
バトルにはまだ続きがある。芸能関係者の話。
「関さんは、好江さんから想定外のクレームが来たから、逆に頭にきていますよ。『取材した事実を書いてなぜいけないのか』と。太地さんの話は既によく知られた話ですしね。関さんはどうしても納得いかず、宮沢りえのことまで書いてしまいましたよ(笑い)」
勘三郎さんはそうそうたる有名女優らと浮名を流してきた。好江さんも梨園の妻という立場上、ある程度の浮気は黙認してきたが、りえのケースはタブーに触れかねない。何といっても、りえが勘三郎さんの定宿で手首を切り、“自殺未遂騒動”になっているからだ。それだけに「(自著に)あえて宮沢りえの欄を設けることに、関さんの意地を感じますね」と同関係者は指摘する。
関氏の出版から1か月後、好江さんも著書「中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて」(集英社)を出版。好江さんも一応、太地さんに触れてはいるが、それよりもいかに自分たち夫婦が愛し合っていたかを強調している。
熟女バトルの様相を呈しているが、この世を去ってもこうして女性絡みで話題になるのは、ある意味、勘三郎さんらしいと言えるかもしれない。
勘三郎さん巡り「熟女バトル」
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