大鶴義丹“タブー映画”の評判

2013年11月21日 11時00分

 俳優の大鶴義丹(45)が監督した“異色ラブストーリー”映画「裸のいとこ」(公開中)が話題を集めている。

 映画は震災発生後の福島県・南相馬市で生きる人たちの、タブー視されている“現実”を描いている。苦しい現実から逃れるためのセックスや、マリフアナなどのドラッグ、感情のコントロールがきかなくなった末の暴力など、報道されない後ろめたい部分を大鶴監督が熱い思いで切り取った。主演には若手女優の佐々木心音(23)が抜てきされている。

 先月末には福島で先行上映会が行われた。地元は高齢者が多く住む土地柄だけに「内容が過激なので、地元の人たちの拒否反応などが心配されていた」(ある映画関係者)と不安視する声もあった。ところが、上映終了後は高齢者から「よく頑張って、私たちの現実を映画にしてくれた」と、佐々木が握手攻めにあったという。

「南相馬では普通じゃ考えられないことが起きている。私の知っているだけでも仲間の漁師が3人、自ら命を絶った。仮設住宅ではアルコールやギャンブルの依存症、家庭内暴力や妻へのDVなど、家庭崩壊が起きている。私はそういう現実に直面してきた」と地元漁師は現地を訪れていたスタッフに語ったという。

 別の映画関係者は「テレビなどでは表面だけの“現実”が報道されるが、そのことに対して、フラストレーションを抱えている被災者の方たちも多かったのでは。逆にリアルに描ききることで、それを代弁してくれたという気持ちになったのでは」と推測する。

 福島でも本公開を待つ声が次第に大きくなっている。大鶴監督も「渾身の一作。反応が楽しみ」と力が入っている。この秋、注目の作品になりそうだ。

 

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