日光猿軍団「閉園」の切実な理由

2013年08月17日 07時00分


「猿たちも年を取ったんですよ。もう20代後半、人間でいえば70~80歳で高齢です。よくがんばってくれました。今、全部で35匹いますが、公演できるのは15匹。あとは…11年に起きた東日本大震災ですね」

 未曽有の被害をもたらした3・11が、まさかの後継者不足を招いたのだという。

「あれ以降、韓国、中国、台湾のスタッフ15人ほどがみんな帰国してしまったんです。90年代は日本人スタッフを含めて25人ほどいたんですが、今は私を含め3人に激減。結成当初のスタッフ数に戻りました(苦笑い)。閉園の決断を下したのは、あの震災がきっかけです」

 来場客には少しずつ、閉園を伝えているものの「そんなこと言わないで、続けてくださいよ!」と涙ながらに懇願される日々が続いている。“引退”する猿たちは今後どうするのか。

「私は近くに山をいくつか買って所有している。猿たちは自然に帰そうかと思ってます。私らが食事だけあげれば、猿たちも“余生”をゆっくり過ごせる。私有地ですから、猿が誰かにさらわれることもない。“猿の楽園”みたいなもんですかね。園内には記念館を造って、猿たちを住まわせ、写真やモニュメントを展示して、お客さんに見てもらおうかと…」

 こう激白した間中氏は、一息ついて本音をこぼした。

「あぁ…疲れた。やり切った。人を笑わせることってホント大変なんですよね。今後はお客さんたちに自慢話したい。『昔はこんなに人気だったんだよ』って…」

 猿たちは最後までファンに笑顔を届け、表舞台から去る。