倉持明日香が見た「リングの神様」

2013年05月15日 14時00分

 豪華な選手たち、入場曲という名の名曲、華麗なコンビネーションで会場を巻き込むチョップの嵐、レフェリーとの掛け合い、技とともに飛び散る汗、見ているだけなのに体の内側から熱くなってくる感覚、一瞬一瞬何が起こるか分からない。「これがプロレスだ!」。昔ながらのプロレスを体と体で伝承していく光景を見ることができました。小橋さんがムーンサルトを決め、最後の3カウントをこの目で見た瞬間、こらえていた思いがあふれてきました。今まで見てきたどの3カウントより遅く、そして重く熱く感じて…。真っすぐで不器用で、誰よりも熱く思いやりがあって、エンターテインメントとは正反対にいるような選手、それが小橋建太という男なのです! 世代交代なんて言葉は似合わないけれど、相手に打ち込んだ185発のチョップの一発一発に“これからのプロレス界を頼んだぞ”という思いが込められている気がして。そして、小橋さんに技をかける選手の姿にも「これから俺たちに任せてください」。そう言っているように感じました。

「KENTA~!」と叫びながら打ち込んだ逆水平チョップに愛を感じ、赤くなった選手の胸元を見て“プロレス界をひっぱってきた小橋建太への感謝の証し”なんだと。リング一面に飛び交ったオレンジ・紫・銀色の紙テープと声援はファンからの感謝の気持ちでした。

 最後に聖地を後にする小橋さんに会うことができました。多くの人に見送られ、車に乗り込んだ小橋さん。窓が開き、手を振り最後に言ったひと言が「明日香ちゃん! ありがとう!」。私なんかに声をかけてくださって…。頭が真っ白になりましたが、“ファンを大切にする”優しさがたくさんの人々に愛される理由の一つなんだと。引退試合でもいつもと変わらず、四方八方のファンに手を振りお辞儀をし、最後にまた深くお辞儀をして去っていきました。

 25年のレスラー人生の中で私が知っているのはほんの一部です。けれど小橋さんが歩んできた“青春”という名のプロレスを目で見て、耳で、肌で感じることができました。「2013・5・11」で改めて確信したことがあります。やはりプロレスラー・小橋建太はすごい! 絶対王者・小橋建太はプロレスの歴史に名を刻み、永遠不滅の唯一無二の存在だということを。たくさんの感動を夢を希望をありがとうございました。そして、本当にお疲れさまでした! これからもあなたの青春に付いていきます!

(AKB48チームKの倉持明日香)