21日放送のフジテレビ系「バイキング」は、麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が出演する映画「麻雀放浪記2020」を予定通り公開すると発表したことを取り上げた。

 配給会社の東映は20日の会見で瀧容疑者の出演シーンをカットせず公開すると発表。多田憲之社長(69)は「劇場での上映は有料で、観賞の意思を持ったお客さまが来場し、観賞する。クローズドなメディアで、テレビ放映、またはコマーシャルなどとは性格が違います」と説明した。同席した白石和彌監督(44)は、東映からの打診に「なんとか編集しないかたち。僕がベストだと思っていたかたちで公開したいのが正直な気持ちです」と伝えたことを明かし、「作品に罪はないんじゃないか」と話した。

 瀧容疑者の出演作について公開延期、出演シーンのカットや撮り直しなど対応が別れており、過剰な自粛も疑問視する声も出ている。そんな中で、ノーカット公開を決めた東映について、MCの坂上忍(51)は「勇気があったな」「東映さんが一石を投じた。良くも悪くも意義のあることだと思う」とコメント。ただ、多くの出演者が支持する中、ジャーナリスト・石原行雄氏は「瀧容疑者がコカインを入手するために払ったお金は反社会的勢力に流れていた可能性もある」と、個人的に「公開すべきではない」の見解を示した。

 なお、NHKは大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」について瀧容疑者の代役に俳優・三宅弘城(51)を起用。過去の作品についても出演シーンの差し替え、オンデマンド配信の見直しなどを実施。NHKは「番組は受信料で作られている」と説明し、損害賠償の請求を検討している。

 坂上は「NHKさんは毅然とした態度で、損害賠償をするんだったらしてほしい。民放とは違いますから、ぶれずにやってほしい」と民放との違いを強調した。